EXHIBITIONS

“気”を描く─特集・鈴木竹柏

2021.06.26 - 09.05

鈴木竹柏 烟 1990

鈴木竹柏 煌 2009

 高崎市タワー美術館では、「“気”を描く─特集・鈴木竹柏」を開催。現代日本を代表する日本画家のひとり・鈴木竹柏(すずき・ちくはく、1918~2020)の作品を、同館の収蔵作品とともに展示する。

 鈴木は神奈川県逗子市出身。19歳で同じ逗子にアトリエを構えていた日本画家・中村岳陵に入門。その内弟子となって師と起居をともにしながら、日本画の技術と画家としての姿勢、身近な自然に美しさを見つける感性を学んだ。

 その後、師が所属した日展に出品し、日展の気鋭作家らが結成した一采社や始玄会などにも参画。多くの画家と交流しながら研鑽を積み、現代日本画界を牽引する画家のひとりとして、2020年に没するまで精力的に作品を発表し続けた。07年、文化功労者として表彰される。

 幽玄かつ重厚な風景画を描いた鈴木。その画業において希求した「気」とは、日本画を含めた東洋絵画で重視される「気韻生動」に帰結し、自然が放つ不可視の存在感を言う。

 本展では、鈴木が妙義山を描いた日展出品作《煌》(2009)をはじめ、風景に内在する「気」をとらえ表現した作品19点を展示。また特集展示とあわせ、高崎市タワー美術館のコレクションに新たに加わった書や浮世絵、日本画などを紹介する。