EXHIBITIONS

安井鷹之介「The Plaster Age」

2021.06.29 - 07.31

展示風景より ©︎ Takanosuke Yasui MAHO KUBOTA GALLERY

安井鷹之介 Time to Pretend -Rodin- 2021 ©︎ Takanosuke Yasui MAHO KUBOTA GALLERY

安井鷹之介 Monica 2021 ©︎ Takanosuke Yasui MAHO KUBOTA GALLERY

アーティストのスタジオ風景 ©︎ Takanosuke Yasui MAHO KUBOTA GALLERY

展示風景より ©︎ Takanosuke Yasui MAHO KUBOTA GALLERY

展示風景より ©︎ Takanosuke Yasui MAHO KUBOTA GALLERY

展示風景より ©︎ Takanosuke Yasui MAHO KUBOTA GALLERY

 古代から現代へ連なる彫刻の伝統をベースに、「弱い彫刻」という独自の概念を掲げる安井鷹之介。その個展「The Plaster Age」がMAHO KUBOTA GALLERYで開催される。

 安井は1993年愛知県生まれ。2019年東京藝術大学彫刻科卒業。「石膏」と「布」で造形した彫刻で注目を集め、独自の手法を使い、ボリューム感のあるペインティングも手がけてきた。商業的ともとらえられる絵画を発表するいっぽうで、安井の作品群の本質は、作家が純粋に彫刻家であることに強く起因する。

 美術学校で学んだ大理石や青銅などからなる伝統的な彫刻に対し、安井は人の手が力を加え自在にかたちづくることができる「石膏」という中間素材に着目。それを主素材として用いることによって生まれる自らの作品をフルイドな「弱い彫刻」と呼ぶ。石膏の表現上の特質について作家は、「石膏のもつ脆さや弱さ、可塑性素材の置換の中間にある献身性にも似た性質に」想像力をかきたてられると言う。

「石膏時代」と題された本展では、等身大の彫像作品群によるインスタレーションが展開される。 歴史上のナラティブへの観察者の視点を持ちつつ、安井は物語の構造を現代を生きる個人の座標へと変換させる作業を繰り返したのち、グレイトーンに彩られた約30点ほどの彫像によって圧倒的な空間をつくり上げる。