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『角砂糖の日』増刷記念 ―山尾悠子の世界―

© Yoko Yamashita

『角砂糖の日』表紙イメージ © Yoko Yamashita

『角砂糖の日』より(イメージ) © Yoko Yamashita

 Galerie LIBRAIRIE6 / シス書店では、「『角砂糖の日』増刷記念 ―山尾悠子の世界―」を開催。作家・山尾悠子の自筆短歌と関連書籍を紹介するほか、『角砂糖の日』(発行=LIBRAIRIE6)の挿画を制作した合田佐和子、まりの・るうにい、山下陽子の作品もあわせて展示する。

 山尾悠子は1955年岡山県生まれ。同志社大学文学部国文科卒業。著書に『夢の棲む街』『仮面物語』『オットーと魔術師』『角砂糖の日』『山尾悠子作品集成』『ラピスラズリ』『歪み真珠』『夢の遠近法』などがある。

 合田佐和子は1940年高知県生まれ。戦後の焼跡を原体験に持ち、幼少よりガラクタを収集している。1965年に瀧口修造のすすめで制作したガラクタオブジェを発表。その後、油彩の制作を始め、1980年以降には、ポラロイド、パステル、鉛筆、16ミリフィルム、写真、エッチングなどを手がける。並行して1966年より唐十郎、寺山修司等の舞台・映画美術も多数担当する。

 まりの・るうにいは東京都出身。パステル画の技術を独学で修得。稲垣足穂著『宇宙論入門』を読み終えて描き上げた「『青い花』の断片」以来、ルフランのパステルで同作家の宇宙世界を描く。また「妖精文庫」「多留保集」などのファンタジー、SF文学の装丁・挿画も数多く手がけている。代表作は「土星物語」、著書に『パステル飾画』『月街星物園』など。

 山下陽子は1993年に山本六三に師事して銅版画を学んだ。近年は自身のコラージュ作品を写真製版した銅版画(コラージュ・フォトプレート・グラヴュール)の制作に取り組むとともに、版画・コラージュ・オブジェの混合作品など、手法の境界を超えた独自の創作を展開している。本の挿画も数多く、自身でも銅版画による挿画収録の限定本を発表している。

 会場でも歌集『角砂糖の日』を購入でき、限定特典として「山尾悠子の短歌栞」をプレゼントする(1冊につき1枚まで)。