EXHIBITIONS

世界報道写真展2021

2021.06.12 - 08.09

世界報道写真大賞 一般ニュースの部 単写真1位
マッズ・ニッセン(デンマーク 、ポリティケン/パノス・ピクチャーズ) 初めての抱擁 2020年8月5日

ブラジルのサンパウロにあるヴィヴァ・ベム介護施設で、新型コロナウイルス感染防止の
「ハグカーテン」越しに看護師のアドリアナ・シルヴァ・ダ・コスタ・ソウザに抱きしめられるローザ・ルジア・ルナルディ(85)。

スポットニュースの部 単写真1位 世界報道写真大賞ノミネート作品
イヴリン・ホックシュタイン(アメリカ) 奴隷解放記念碑論争 2020年6月25日

アメリカ・ワシントンD.C.のリンカーン公園で奴隷解放記念碑の撤去をめぐり意見を異にする男性と女性。

ポートレートの部 単写真1位 世界報道写真大賞ノミネート作品
オレグ・ポノマレフ(ロシア) ジェンダー移行:イグナット 2020年4月23日

ロシアのサンクトペテルブルクにてガールフレンドのマリアと座るトランスジェンダー男性イグナット。

世界報道写真ストーリー大賞 長期取材の部1位
アントニオ・ファシロンゴ(イタリア、ゲッティルポタージュ) ハビビ 2018年12月

パレスチナのベイト・リマにて、自宅のソファに横たわるリディア・リマウィ。
夫はイスラエルの観光大臣暗殺に関与した罪で25年の懲役刑に処されている。
夫婦の間には体外受精で2013年に生まれた息子がいる。2014年、夫は刑務所から
精液をひそかに持ち出したかどで2ヶ月間にわたり家族との面会が禁じられた。

現代社会の問題の部 単写真2位
ジェレミー・レンピン(フランス) ドクター・ペヨとミスター・アセン 2020年11月30日

フランスのカレーにあるカレー病院センターのセレーヌ緩和ケア病棟で
息子イーサン(7)を抱きしめる転移がん患者のマリオン(24)と動物介在療法に用いられている馬のペヨ。

環境の部 組写真2位
シリル・ジャズベック(スロベニア、ナショナルジオグラフィックに提供)

気候変動と闘う策:自分の氷河を造るラダックの旧王都レー近郊のガングレスにある高さ24メートルの氷の仏塔。配水管から噴き出た水で形成される。

「世界報道写真展」は1955年にオランダのアムステルダムで、世界報道写真財団が発足したことにより、翌年から始まったドキュメンタリー、報道写真の展覧会。64回目を迎える今年は、130の国と地域のフォトグラファー4315人から計7万4470点の応募があり、展覧会「世界報道写真展2021」では、厳正な審査を経た約160点の入賞作品を紹介する。

 今回は「現代社会の問題」「一般ニュース」「環境」「自然」「長期取材」「スポーツ」「スポットニュース」、そして「ポートレート」の全8部門において、28ヶ国45人が受賞。また入賞者のなかから、その年のもっとも優れた作品に対して「世界報道写真大賞」「世界報道写真ストーリー大賞」が贈られる。

 2021年の「世界報道写真大賞」に選ばれたマッズ・ニッセン(デンマーク、ポリティケン/パノス・ピクチャーズ)の《初めての抱擁》は、新型コロナウイルスと闘う人間の絆と温もりを写す、人々に勇気を与える1枚だ。

 いま、世界で起こっている現実を克明にとらえる報道カメラマンたち。その圧倒的な力量と緊張感が伝わってくるような受賞作品の数々は、見る者の心に迫る。