EXHIBITIONS

ル・モジュールドゼール「PERSEVERANCE / 忍耐」

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展示風景より

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展示風景より

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アニエスベー ギャラリー ブティック 外観

 ル・モジュールドゼール(Le Module de Zeer)の個展「PERSEVERANCE / 忍耐」がアニエスベー ギャラリー ブティックで開催されている。

 メディ・シビル(Mehdi Cibille)こと、ル・モジュールドゼールはストリートを背景に持つフランス⼈アーティスト。デザイナーのアニエスベーがパリの街⾓に描かれたゼールの作品に⽬をとめたことをきっかけに、両者の交流が始まった。2015年に発表したコレクションでは、ゼールとのコラボレーションアイテムがランウェイに登場し、同年にオープンしたアニエスベー銀座 Rue du Jour 店では店内壁⾯へのドローイングを依頼するなど、数々のイベントをともにしてきた。
 
 ゼールはアート専⾨の教育機関での教育は受けず、⼤⼿広告会社のディレクターとして働いたのちに、⾃⾝が⻘年期から関わり続けたストリートで得た知識と技術を武器としてアーティスト活動を開始。ドローイング作品の多くは暗い線で描かれ、異なる銀河からきた複雑な物質を思わせる。代表作のひとつ《Start Game Over Soluce(〇×ゲーム)》は芸術的要素に加えて科学的で数学的なつながりが表現されており、新たな⾔語やコミュニケーションに初めてふれた時のように、鑑賞者の独⾃の解釈を促す。

 ストリートと都市、そのあいだに存在する空間に注⽬し、都市芸術、とりわけストリートアートに注力してきたゼールは、近年はギャラリーなどでの展⽰を通じて、社会的、政治的な場へ活動を拡張。しかし背景にあるものや媒体が何であろうと、不整合性、パラドックス、⽭盾と⾔った要素を、⾃らが⾒つけ出した公共の場につねに介⼊させながら、⾒るものをかき⽴て、呼び込む、⼊れ⼦構造のアートとして表現している。

 本展は、今年、⽕星へ降り⽴ったNASAの探査船「パーサヴィアランス(PERSEVERANCE)」の名をタイトルに据え、リトグラフからドローイング作品まで、ゼールが近年制作した初公開作品を含む全23点を展⽰・販売。リトグラフは、数々の著名アーティストの作品を⼿がけてきたパリ最古のリトグラフアトリエ「IDEM PARIS(イデム・パリ)」で制作された。また⼀部の作品では⼈⼯⼤理⽯へドローイングを施すなど、その素材感やクオリティも⾒どころとなる。