宮澤謙一 個展「LIVING DEAD STOCK」

　アーティスト・宮澤謙一の個展「LIVING DEAD STOCK」がCALM & PUNK GALLERYで開催。初個展「CHOCO MINT CONDITION」から2年の時を経て、作家にとって2度目の個展となる。

　宮澤は、アーティストユニット「magma」として活動しながら、立体作品やペインティング、陶芸など自身の作品を制作。2019年にCALM&PUNK GALLERYにて自身の初個展「CHOCO MINT CONDITION」を開催する。20年のアートフェア「EASTEAST_Tokyo」に参加し、同年、国立新美術館内にあるミュージアムショップ「スー ベニアフロムトーキョー」のSFT GALLERYにて「ゴリラがバナナをくれる日に」を発表した。

　宮澤は前回の個展では、自身のルーツとして、日曜大工を好み日用品を自作していた父の存在をもとに、様々な場所から集めたジャンク品で再構築した立体作品を発表。本展では、この2年間に世界中で起きたリアリティや物質との距離感に揺らされながら、そのなかでもぶれない作家自身の直感を頼りに、新たに挑戦した陶器作品が並ぶ。

　会場空間では、様々な気配や形状を嗅ぎとることができないいま、宮澤の反射神経がいくつかの時間軸のなかで移動を繰り返す。「『サイファイ』が現実になってしまった時代の遺物のような動物型のダミー人形が生き、水がなくなりコカコーラから花が咲く」、そんな矛盾とユーモアのあいだを反復した末に広がる想像の旅を楽しんでほしい。