EXHIBITIONS
鍵岡リグレ アンヌ「Transition」
鎌倉を拠点に活動するアーティスト、鍵岡リグレ アンヌの個展「Transition」がMAKI Gallery(天王洲)で開催される。
鍵岡は1987年神奈川県生まれ。東京藝術大学絵画科油彩専攻を卒業後、同大学大学院にて壁画を研究。その後フランスに渡り、フランス国立高等工芸美術学校にてフレスコ・モザイクの技術を学んだ。現在は鎌倉にアトリエを構え、フランス、日本、ラトビアなどでのグループ展や壁画プロジェクトに参加している。
日常の風景に潜む抽象的なかたちや、自然の持つエネルギーを表現することを根底のコンセプトとして、一貫した制作を行ってきた鍵岡。これまで世界各地で取材した水面の反射をもとに、学生時代に習得した「グラフィート」という古典的な壁画技法に布によるコラージュを加えた独自のペインティング法を用いて、立体感のある絵画シリーズ「Reflection」を描いてきた。
本展では、水面の反射を題材にしたこの「Reflection」から展開された「Figure」シリーズと、19年のルクセンブルクでのアーティスト・イン・レジデンスをきっかけに制作を始めた「Element」シリーズを主軸に構成された新作を展示する。
「Figure」は、人が水面に映り込むことで生じる、自然と人体の融合の世界を描いた作品。水の流れや映り込む風景、水中の状況などあらゆる条件が加わることで、人の姿が歪み、交わり、溶け合い、絶えず変化するこれら一連の情景に、事物が抽象化されていく過程をより強く感じ取った鍵岡は、そのプロセスと躍動的な力強さを、独創的な技法をもって画面上に描き出している。
いっぽう、ダイナミックな岩をモチーフとした最新シリーズ「Element」では、ルクセンブルク滞在中の水彩絵具による習作を基盤として、現地で体感した自然の原始的な迫力や壮大さをアクリル絵具で表現。全身を使いドローイングのようなストロークで画面とやりとりを行うことで、大地が生む複雑で有機的な造形美と、豊かな精彩を余すところなく引き出している。
昔から身近な題材として描かれ続けてきた、水面や風景、人体。鍵岡はその歴史にさらに新しい歩みを踏み出すべく、色彩、質感、光、リズムといった絵画の本質的要素にひたむきに向き合い、現代における独自の表現、そして展開を提示し続けている。
変化や移り変わりといった意味を冠した本展「Transition」では、異なる主題や技法、スケール、色彩、そして空間を私たちが行き来することでもたらされる感性や知覚により、さらに作品自体にも絶え間ない変化が生まれるだろう。
鍵岡は1987年神奈川県生まれ。東京藝術大学絵画科油彩専攻を卒業後、同大学大学院にて壁画を研究。その後フランスに渡り、フランス国立高等工芸美術学校にてフレスコ・モザイクの技術を学んだ。現在は鎌倉にアトリエを構え、フランス、日本、ラトビアなどでのグループ展や壁画プロジェクトに参加している。
日常の風景に潜む抽象的なかたちや、自然の持つエネルギーを表現することを根底のコンセプトとして、一貫した制作を行ってきた鍵岡。これまで世界各地で取材した水面の反射をもとに、学生時代に習得した「グラフィート」という古典的な壁画技法に布によるコラージュを加えた独自のペインティング法を用いて、立体感のある絵画シリーズ「Reflection」を描いてきた。
本展では、水面の反射を題材にしたこの「Reflection」から展開された「Figure」シリーズと、19年のルクセンブルクでのアーティスト・イン・レジデンスをきっかけに制作を始めた「Element」シリーズを主軸に構成された新作を展示する。
「Figure」は、人が水面に映り込むことで生じる、自然と人体の融合の世界を描いた作品。水の流れや映り込む風景、水中の状況などあらゆる条件が加わることで、人の姿が歪み、交わり、溶け合い、絶えず変化するこれら一連の情景に、事物が抽象化されていく過程をより強く感じ取った鍵岡は、そのプロセスと躍動的な力強さを、独創的な技法をもって画面上に描き出している。
いっぽう、ダイナミックな岩をモチーフとした最新シリーズ「Element」では、ルクセンブルク滞在中の水彩絵具による習作を基盤として、現地で体感した自然の原始的な迫力や壮大さをアクリル絵具で表現。全身を使いドローイングのようなストロークで画面とやりとりを行うことで、大地が生む複雑で有機的な造形美と、豊かな精彩を余すところなく引き出している。
昔から身近な題材として描かれ続けてきた、水面や風景、人体。鍵岡はその歴史にさらに新しい歩みを踏み出すべく、色彩、質感、光、リズムといった絵画の本質的要素にひたむきに向き合い、現代における独自の表現、そして展開を提示し続けている。
変化や移り変わりといった意味を冠した本展「Transition」では、異なる主題や技法、スケール、色彩、そして空間を私たちが行き来することでもたらされる感性や知覚により、さらに作品自体にも絶え間ない変化が生まれるだろう。



