EXHIBITIONS

上原浩子「境界より」

2021.05.21 - 06.19

上原浩子 境界に触れる 2021 © Hiroko Uehara

飛天 2021 © Hiroko Uehara

 アーティストの上原浩子が、TEZUKAYAMA GALLERYでは3年ぶりとなる個展「境界より」を開催する。

 1985年に群馬県に生まれた上原は、2012年に京都市立芸術大学大学院美術研究科を修了し、現在も京都を拠点に活動。大学院修了後はそれまで制作していた絵画作品と並行しながら、立体作品の発表も精力的に行うようになり、自身の表現の幅を広げてきた。

 上原は絵画制作で培った描写力と、以前から興味があったと話す、自然のなかに精霊や神が宿ると言われる日本古来のアニミズムの思想に感化され、一貫して植物と人間の融合をテーマに制作を続けている。その作品のモチーフとされる生き物の表情は穏やかで、繊細で柔和に表現された肌からは、神々しく優しくも強い生命力を感じることができる。

 2016年には、台北に拠点を持つAKI Galleryにて海外初個展が開催され、3フロア全体を上原の世界観に変換させた展示は、現地においても大きな話題と注目を集めた。18年のTEZUKAYAMA GALLERYでの個展では「Deep Forest」をテーマとした作品を展示し、その世界観を色濃く残した。

 本展は「トドワラ」という、北海道・野付半島(のつけはんとう)にある異質な場所から着想を得た新作の絵画、立体作品で構成し、神秘的な世界観をつくり出す。