EXHIBITIONS

粋と艶 -江戸のトップスターたち-

2021.04.23 - 06.08

歌川豊国 七代目市川團十郎の三浦荒男之助 1812(文化9)

喜多川歌麿 名所腰掛八景 1796(寛政8)

 MOA美術館では、江戸時代の流行に注目した展覧会「粋と艶 -江戸のトップスターたち-」を開催している。

 江戸時代に入り、大都市では芝居町や遊里などで活気あふれる町人の娯楽文化が開花した。芝居の世界ではとくに中村座、森田座、市村座の江戸三座の興行から数々の名優たちが誕生し、遊里では美貌だけでなく、高い教養・芸事などに優れた高位の遊女がもてはやされた。

 そして芝居や遊里が人々の関心を集めるなか、東洲斎写楽や喜多川歌麿、葛飾北斎など浮世絵師によって、人気歌舞伎役者の姿や演目内容、評判の遊女や茶屋で働く看板娘が数多く描かれた。

 本展では、同館の浮世絵コレクションを展示し、粋と艶の美意識が高揚した江戸時代におけるトップスターたちの姿に迫る。主な出展作品は、歌川豊国による《七代目市川團十郎の三浦荒男之助》や東洲斎写楽による《四代目松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛》、喜多川歌麿の《名所腰掛八景》など。

 また本展は、当時のファッションリーダーとして視線を集めた、遊女や歌舞伎役者らが好んだ粋なファッションも紹介する。