EXHIBITIONS
野口哲志「silent blessing」
ペインター・野口哲志(のぐち・さとし)の個展「silent blessing」がバンビナートギャラリーで開催される。
1994年、埼玉県に生まれた野口は、2019年に東京藝術大学を卒業し、現在は埼玉県の深谷を拠点に制作活動を行っている。野口にとって生まれ育った埼玉県北部の深谷で「衰微する気配」を感じながら過ごす時間や、好んで聞くYouTubeの再生回数が少ないバンドの音楽が、現在の制作の原点となっている。
前回の個展「NoTales」(2018)では、心中に去来する思いをそのままに描いた不可思議な偶像や激しい筆致、とらえどころのない表情をした人物などが入り交じる絵画を発表。それから一転、今回の新作では、現状に抗うことなく自らの感情を手なずけ、すべてを受け入れることで、物事のありのままの価値を理解しようと試みている。
2017年のグループ展「LANDSCAPE」展への参加、2018年の初個展の開催以来、バンビナートギャラリーでは3年ぶりとなる新作個展に寄せて、次のようにコメントしている。
「インターネットなど様々な要因で相対化されることが常態化した社会の中で、何かを信じて突き進むことは難しい。自分の欲求や感性さえもその中では信用できないものになっていく。
しかしその相対化の中で得られる空虚さや自身の存在の軽さは、逆にそういった社会の中で渦巻く競争から抜け出すための一つの回路としてあるようにも私は思っている。
作家として相対化される状況の中で逃げたり、開き直ることなく、どのように作品を表現していくのか。私がネットで見つけた多様なバンドや私自身の地元の景色は私に相対化の渦のなかから、様々な存在の有り様を教えてくれた。今展では、それらから得た気づきをもとに空に浮かぶ雲のような私自身の曖昧で実態の軽いリアリティを描きたいと思う(野口哲志)」。
1994年、埼玉県に生まれた野口は、2019年に東京藝術大学を卒業し、現在は埼玉県の深谷を拠点に制作活動を行っている。野口にとって生まれ育った埼玉県北部の深谷で「衰微する気配」を感じながら過ごす時間や、好んで聞くYouTubeの再生回数が少ないバンドの音楽が、現在の制作の原点となっている。
前回の個展「NoTales」(2018)では、心中に去来する思いをそのままに描いた不可思議な偶像や激しい筆致、とらえどころのない表情をした人物などが入り交じる絵画を発表。それから一転、今回の新作では、現状に抗うことなく自らの感情を手なずけ、すべてを受け入れることで、物事のありのままの価値を理解しようと試みている。
2017年のグループ展「LANDSCAPE」展への参加、2018年の初個展の開催以来、バンビナートギャラリーでは3年ぶりとなる新作個展に寄せて、次のようにコメントしている。
「インターネットなど様々な要因で相対化されることが常態化した社会の中で、何かを信じて突き進むことは難しい。自分の欲求や感性さえもその中では信用できないものになっていく。
しかしその相対化の中で得られる空虚さや自身の存在の軽さは、逆にそういった社会の中で渦巻く競争から抜け出すための一つの回路としてあるようにも私は思っている。
作家として相対化される状況の中で逃げたり、開き直ることなく、どのように作品を表現していくのか。私がネットで見つけた多様なバンドや私自身の地元の景色は私に相対化の渦のなかから、様々な存在の有り様を教えてくれた。今展では、それらから得た気づきをもとに空に浮かぶ雲のような私自身の曖昧で実態の軽いリアリティを描きたいと思う(野口哲志)」。



