EXHIBITIONS
李晶玉展「記号の国」
画家、アーティスト・李晶玉(リ・ジョンオク)の個展「記号の国」がGallery Qで開催される。
李は1991年東京都生まれ。2018年朝鮮大学校研究院総合研究科卒業。写実的な絵画作品を手がけ、その裏に潜む固定観念をあぶり出すことを試みている。また大学在学中にはアーティストの鄭梨愛(チョン・リエ)とともに、「在日は必要だった。」展(2013)、「在日・現在・美術」展(2014)、隣接する朝鮮大学校と武蔵野美術大学の壁に橋を架け、展示室をつなげる「突然、目の前がひらけて」(2015)などの開催に携わり、在日朝鮮人3世の視点から活動してきた。
本展タイトルの「記号の国」は、フランスの哲学者ロラン・バルトの著書『表徴の帝国/記号の国』から引用したもの。新作を含めた5〜6点の出品作は、例えば富士山や白頭山や漢拏(ハルラ)山、スーツとチョゴリと着物、防護服、日の丸、天池(チョンジ)、葛飾北斎を彷彿とさせる波の線描による海の絵など、強い象徴性を持ったモチーフを使って構成されている。
これらは、国家や性や民族といった属性と個人の関係についての思考の一環としてかたちとなった作品群。作家は『表徴の帝国/記号の国』のテキストについて、2020年の作品《Olympia2020》の構想中から意識しており、次のように述べている。
「在日朝鮮人三世の視点からは、国家や民族という属性はすでに形骸化している。それは共同体や教育の中で人間が形成される近代以降の世界で、在日に限った話ではない。空虚な主体を中心に循環するシステムを与えられて活発に動く様、『空虚な中心』という言葉は、東洋-西洋の対比による都市論を超えて、様々な事象への示唆に富むように感じ、本展を構想する上でいくつかの言葉を援用した(李晶玉)」。
李は1991年東京都生まれ。2018年朝鮮大学校研究院総合研究科卒業。写実的な絵画作品を手がけ、その裏に潜む固定観念をあぶり出すことを試みている。また大学在学中にはアーティストの鄭梨愛(チョン・リエ)とともに、「在日は必要だった。」展(2013)、「在日・現在・美術」展(2014)、隣接する朝鮮大学校と武蔵野美術大学の壁に橋を架け、展示室をつなげる「突然、目の前がひらけて」(2015)などの開催に携わり、在日朝鮮人3世の視点から活動してきた。
本展タイトルの「記号の国」は、フランスの哲学者ロラン・バルトの著書『表徴の帝国/記号の国』から引用したもの。新作を含めた5〜6点の出品作は、例えば富士山や白頭山や漢拏(ハルラ)山、スーツとチョゴリと着物、防護服、日の丸、天池(チョンジ)、葛飾北斎を彷彿とさせる波の線描による海の絵など、強い象徴性を持ったモチーフを使って構成されている。
これらは、国家や性や民族といった属性と個人の関係についての思考の一環としてかたちとなった作品群。作家は『表徴の帝国/記号の国』のテキストについて、2020年の作品《Olympia2020》の構想中から意識しており、次のように述べている。
「在日朝鮮人三世の視点からは、国家や民族という属性はすでに形骸化している。それは共同体や教育の中で人間が形成される近代以降の世界で、在日に限った話ではない。空虚な主体を中心に循環するシステムを与えられて活発に動く様、『空虚な中心』という言葉は、東洋-西洋の対比による都市論を超えて、様々な事象への示唆に富むように感じ、本展を構想する上でいくつかの言葉を援用した(李晶玉)」。