EXHIBITIONS

花と樹の王国

2021.04.24 - 06.30

須崎忠助原画 北海道重要樹木図 1920年代(大正後期〜昭和初期)頃 株式会社ノースランド・プロジェクツ蔵

 北海道立釧路芸術館で展覧会「花と樹の王国」が開催。「自然と芸術」をテーマのひとつとする同館が、「植物図譜」や植物をモチーフとした美術作品を紹介する。

 草や花、樹木は、私たちの心を癒してくれる不思議な「ちから」を持っている。美術においても草花や樹木は重要なモチーフとして描かれ、画家たちは自然に敬意をあらわし、その神秘的なエネルギーに迫ろうとしてきた。

「植物図譜」は科学的に正確な描写を追及する絵画を指し、卓抜した描き手によってたんなる再現を超えて、生あるものとして重厚な存在感をたたえた表現が切り開かれる。自然科学の資料として扱われる植物の化石もまた、「時間」というプレス機によって「版画」だと考える時、地球が生み出す「アート」ともとらえることができるだろう。

 植物そのものを版とし、時に植物採取の記録を版画とするなど、現代版画においても植物の「ちから」が多様に表現されている。

 本展では、日本画、油彩、水彩、版画、写真、化石などの作品・資料約200点により、花樹や草木の世界を展覧する。出展作家は、小林孝亘、山田泰、高坂和子、安積徹、太田三郎、一原有徳、須崎忠助ら。

※北海道立釧路芸術館は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月17日~6月20日まで臨時休館(6月21日は通常の休館日)し、6月22日に再開。最新情報は公式ウェブサイトへ。