マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界

　目黒区美術館が企画展「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」を開催する。

　パリの医師であり出版人でもあったマニュエル・ブルケール。愛書家のために、ブルケールは友人の画家・印刷工房主のジャン=ガブリエル・ダラーニェスの協力を得て、1930～60年代に美しい絵で彩られた版画本を限定で出版した。

　ブルケールが出版した版画本は、画家ごとに特集する形態をとり、多くがその画家を礼賛する内容となっている。マルク・シャガールやモーリス・ユトリロら、フランス美術のそうそうたる画家たちが名を連ねたいっぽう、現在ではあまり知られていない画家も参加した。

　本展では、当時のフランスの版画の豊かさと優雅さを今日に伝える、ブルケールの版画本を、同館所蔵の作品約500点によって紹介する。

　いまでは、出版人ブルケールはどのような人物であったかはほとんど知られていない。しかし、その版画本を印刷したダラーニェスのもとに集まった画家と文学者たちの交流は、麗しい版画本に結実している。

※目黒区美術館は、国の緊急事態宣言に伴う目黒区の要請により、4月25日〜5月31日まで全館休館。6月1日から再開し、本展の会期を6月20日まで延長（当初は4月21日～6月6日まで）。最新情報は公式ウェブサイトへ。