EXHIBITIONS

澄毅、ルイーズ=クレール・ワーグナー「光、未来に向かって」

2021.04.16 - 06.26

© In the Blue #1 by Takeshi SUMI

© “Tokyo Never Ending” by Louise Claire WAGNER

 澄毅(すみ・たけし)と、ルイーズ=クレール・ワーグナーによる2人展「光、未来に向かって」がMYD Gallery(キュレーター:太田菜穂子)で開催。「光」を作品制作の中核に置き、独自のアプローチと思考回路でこれに向き合う写真家たちを紹介する。

 澄は1981年京都府生まれ。明治大学文学部、多摩美術大学情報デザイン学科卒業。美術家のアトリエでの勤務などを経て、2013年に活動拠点をパリに移し、作家活動を本格的に開始する。2020年の帰国後は、京都を中心に作品制作と発表を続けている。写真集に『空に泳ぐ』『指と星』(いずれもLibro Arte)がある。

 ワーグナーはスイス・バーゼル出身。2012年に大学入学のためパリに転居。大学では社会科学と都市計画を専攻した。パリ在住中に写真の制作を始め、2014年に初来日。以来、パリと、フィールドワークの現場として東京を往復しながら活動している。日本文化や社会にふれるうち、写真家としての新たな境地を切り拓き、複数の線、面、光といった様々な「エレメント」によって表現される『Tokyo Never Ending』を現在進行中だ。

「光をとらえる」ことを追求した印象派の画家たちのように、ともに「光」をテーマとして制作を行う2人。澄は、故郷の京都に戻り、「網膜の先の世界を見出す」を掲げて、写真とドローイングで光をまるで生きているかのようにビビッドに表現する。いっぽうワーグナーは、光のなかに自分の身体を溶け込ませる手法や究極のエレメントに落とし込んで、印象として描き出している。

 本展では、「Neo-impressionism『写真、新印象派』」とも言うべき、2人の新たな写真表現が出会う。