EXHIBITIONS

コレクション展「植松永次」

2021.04.01 - 05.22

植松永次 泥の花(小海町高原美術館、2009)での展示風景 Photography: Yuichi Ihara

植松永次 泥の花(小海町高原美術館、2009)での展示風景 Photography: Yuichi Ihara

 Gallery 38は、美術家・植松永次のコレクション展を開催中。 2009年に小海町高原美術館(長野)での「SOIL/FIRE」展に出品されたインスタレーション作品《泥の花》を中心に、過去の作品群から再構成して展示している。

 植松は1949年兵庫県神戸市生まれ。70年代から50年近くに渡る創作活動のなかで、陶芸や現代美術といった既存の枠組みや方法論にとらわれない、多岐に渡る作品を発表してきた。土の質感、火の痕跡が際立つ自然なひび割れ、独特な色合いを備えた作品は、素材との対話を続けるなかで見えてくるその表情に驚き、胸を躍らせる作家自身の感動を感じさせる。

「自身の表現より、土の質感や、自然の中にある大切なものを見てもらいたい」と言う植松。私たちが見過ごしてしまっているかけがえのない景色や悠久の時の流れを、土のなかで見つけたカタチを通じて、私たちの前に見せてくれる。

 本展では、見る人がそれぞれの気持ちを重ねられる、どこか懐かしく穏やかな作品と、50年近く変わらぬ姿勢で、土と真摯に向き合ってきた植松の創作活動の一端を紹介する。