EXHIBITIONS

柘植萌華「ドロップ」

柘植萌華 風景 #8 2020

 柘植萌華(つげ・もえか)の初個展「ドロップ」がバンビナートギャラリーで開催される。

 柘植は1999年東京都生まれ。現在は多摩美術大学の絵画学科に在籍。デジタルネイティブのなかでも、Z世代やネオ・デジタルネイティブ世代に括られ、つねにモバイルネットと密接した生活環境に身を置いている。

 自身が手にするスマホには、SNSや映像、音楽、様々なニュースがあふれており、物理的にも精神的にも各々の距離感でもってそれぞれにつながる。そうしたなかで柘植は、よぎった思いに適した言葉を探すように、日常の過ぎゆく時間のなかでこぼれ落ちたイメージを拾っては、その感触を思い出すようにして描いている。

 日常の風景やイメージの痕跡に潜む自らのリアリティに触れようと描かれた絵画は、作者の世界がもつ解像度を伴って、もうひとつの世界の触感を見る者に感じさせる。

 初個展に際し、作家は次のように言葉を寄せている。「街の景色や、うつろう光の印象などを描いている。いちど見たものや風景は自分のなかに写し出され、それは現実とは違う別のなにかになる。それをキャンバス上に描くことで、自分のみたものが何だったのかを探ろうとしている(柘植萌華)」。