EXHIBITIONS

Rei Nakanishi 個展「yinyang」

Rei Nakanishi landscape ©︎ 2021 Rei Nakanishi

 現代アーティスト・Rei Nakanishi(中西伶)の⽇本初個展「yinyang」が、銀座 蔦屋書店のアートウォール・ギャラリーで開催される。

 Rei Nakanishiは1994年生まれ。20歳の時に出⽣地の三重県から上京し、グラフィックデザイナーとしてデザインの仕事に従事するも、商業デザインと⾃⼰表現の狭間で⾃問⾃答するなかで、導かれるようにアートの世界に⾝を投じた。

 転身のきっかけとなったのは、ファッション誌で目にしたニューヨークで活躍するアーティスト・⼭⼝歴の作品。2016年に渡米し、山口のアシスタントに採用され、3年間ニューヨークで制作を続けた。19年の帰国後、Chari and co × le coq sportif × Rei Nakanishiのトリプルネームコラボを発表し評価を得る。21年からは、山口が率いる「GOLD WOOD ART WORKS」へ正式に所属。グラフィックワークを中⼼にペインティングおよびコラボレーションワークを手がけている。

 Rei Nakanishiの制作のスタイルは、コンピュータグラフィックスで想起した図柄の上や写真の上に、デジタルでしか再現しにくい動きのある筆致をフリーハンドで⾏うという、グラフィックデザイナーとしての経験と自身がニューヨークで学んだ技法が核になっている。奥⾏きが存在しないデジタルからインスピレーションを得て、絵画というアナログの存在感へと落とし込むことで、現代にしかできない表現を追求している。

 本展では、絵画の枠から外れない主題にこだわり、多くのオールドマスターが描いてきた花をモチーフとした作品を中⼼に発表。本展に寄せて、次のようにコメントしている。

「私たちはデジタルという新しい価値観がうまれたことによって今までの現実がアナログだったということを無視出来なくなってしまいました。デジタルという価値とアナログという価値をすり合わせること、それぞれの良さを確認し拾い上げることをできれば私たちは今を⽣きる上でより豊かなのではないでしょうか。

新しい時代の、まるで陰と陽のようなその⼆⾯性を理解しバランスをとることが今必要な感覚だと感じるのです。私は今この時代を⽣きる⼈へ⾒ていただきたいという思いで作品を創作しています。(Rei Nakanishi)」。