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EXHIBITIONS

野村仁「時空と生命:表徴化予想と顕れ」

2021.03.23 - 04.17

野村仁 時空:表徴化予想 / 自発的対称性の破れ 2016-2021

 美術家・野村仁がARTCOURT Galleryでは2年ぶりとなる個展「時空と生命:表徴化予想と顕れ」を開催。本展では、1970年代より手がける「スコア」シリーズの最新作《'CMB' score: 13.8 Billion Years / Temperature Fluctuation》を発表する。

 野村は1945年兵庫県生まれ。67年に京都市立美術大学を卒業後、69年に同大学専攻科を修了。活動初期より重力や時間とともに変化する物質の様相をカメラでとらえ、生命や宇宙の起源に焦点を当て彫刻作品を制作してきた。

 今回、新作を発表する「スコア」シリーズは野村にとって、天体にレンズを向ける転機と同時に始まり、今日まで継続する重要な作品のひとつ。5本線を写し込んだフィルムで無作為に撮影し月を音符と見立てた《'moon' score》(1975〜)は自然な音楽を奏でる。この発見から、野村は日常を取り巻く現象、とりわけ人が知覚でき る範囲を超えて存在する現象の「モト」となる構造や物の成り立ちへの関心を深め、宇宙の起源、地球上の生命誕生へと制作テーマを拡げていった。

 野村は最新作《'CMB' score: 13.8 Billion Years / Temperature Fluctuation》において、ESA(欧州宇宙機関)の探査衛星「PLANCK(プランク)」が観測した宇宙背景放射によって2018年に明らかになった、宇宙全体図の温度マップから特定の星座座標を選択し、そのエリアから届く電磁波を読み取って譜面化。現在観測し得る最古の電磁波が持つ膨大な宇宙情報から抽出したサウンドで展覧会場を満たし、空間を構成する。

 ギャラリーでは、宇宙発生のかたちを内部構造とともに三次元で表わし、1980年代に制作したガラスの連作や、宇宙から飛来し地球上の生物のRNA(遺伝子の転写やタンパク質合成を担う)やDNAをかたちづくったとされる隕石、また太古の地球に酸素を生み出したストロマトライトの化石、生態系の基盤を形成した陸上植物の化石などを用いた作品群を初公開。悠久の時空の旅を経ていまここにある物質同士が、宇宙と地球上の生命との深いつながりを語り合う。

 また、宇宙空間に顕れる様々な現象のかたちを身近に鑑賞できる形態へと置き換え、3DCGイメージ、ブロンズ、漆などの多様なメディアで制作に取り組む野村ならではの、実験精神とユーモアにあふれた新作の数々もあわせて紹介する(会期中、一部展示替えあり)。