EXHIBITIONS

品川亮「LANDSCAPE」

2021.04.01 - 04.19

品川亮 四季花鳥図 2021

品川亮 秋草図 2020 ※参考画像

品川亮 洞庭秋月 2020 ※参考画像

品川亮 山図 2021 ※参考画像

「日本の絵画」を現代に再接続するアーティスト・品川亮の新作個展「LANDSCAPE」が、OIL by 美術手帖ギャラリーで開催される。

 品川亮は1987年生まれ、大阪府出身。日本、ソウル、台北をはじめアジアを中心に、欧米などでも作品を発表。近年の個展に「Nature’s first green is gold,」(銀座 蔦屋書店、東京、2020)などがある。

 現在は京都を拠点として活動し、若手ペインターとして広く注目を集める品川。油絵から学び始め、学生時代の留学経験を経て日本画について考えるようになったことをきっかけに転向。アカデミックな技量とともに、階層化された制度に厳密に従うことで成立・存続してきた「日本画」により中断された、「日本の絵画」を現代に再接続し、更新することに挑みながら制作を続けている。

 品川は「日本画」を、元来文化としてあった「日本の絵画」を富国強兵的に西洋化したものであるととらえる。明治以降の日本画が、東京美術学校や日本美術院といった近代教育制度のなかで発展したことにより、作品の価値がその時々の日本画の制度におけるヒエラルキーの上下に比例するという悪循環に陥っていると語り、そういった「日本画」によって中断される以前あるいは現代の、本来日本人が問うべき絵画とは何かを知るため制作を続けているのだと言う。

 近年、品川は岩絵具や箔といった伝統的な日本画の素材や、やまと絵や琳派、狩野派などの様式を引用しながら、身近な植物を単純化して描く作品のほか、筆跡を意識的に用いたシリーズを制作している。

 本展では、作家にとって新たな挑戦である「風景」をテーマにした作品を発表。品川は、ポール・セザンヌが繰り返し描いたサント=ヴィクトワール山のシリーズから影響を受け、今作を手がけた。狩野派の堅牢な構図とセザンヌの奥行き感が接続された、幅5メートルに及ぶ大作《四季花鳥図》のほか、新たなテーマへの足掛かりとなる新作が複数展示される。

 なお本展出品作の一部をオンラインでも販売。ECサイト「OIL by 美術手帖」にて、4月3日 16:00より販売ページを公開する。