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EXHIBITIONS

西洋画コレクション 印象派からエコール・ド・パリの作家たち

2021.03.23 - 05.30

マリー・ローランサン 読書 1950 BBプラザ美術館蔵

モーリス・ユトリロ ベシーヌ風景 1922 BBプラザ美術館蔵

佐伯祐三 オワーズ河周辺風景 1924 BBプラザ美術館蔵

 BBプラザ美術館は、同館の西洋画コレクションによる展覧会「印象派からエコール・ド・パリの作家たち」を開催する。

 1874年春、ピエール=オーギュスト・ルノワールらによるグループ展がパリの写真家ナダールのアトリエで開催され、その直観・感覚的な制作態度は当初厳しい批評を受けた。同展に参加した主な作家たちを「印象派」と呼ぶようになり、光の変化に応じる色調や空気の揺れ動きを効果的に描いたことで、その後は多くの人々を魅了することになる。

 ルノワールの《薔薇をつけた少女》(1915)やモーリス・ユトリロの《ベシーヌ風景》(1922)が描かれた年頃、味わいのある古き良きパリは近代都市パリへと変化の兆しを見せ始めていた。芸術の都パリに憧れ、1900年にはスペインからパブロ・ピカソが、1913年には日本から藤田嗣治が渡仏。世界各地からパリへ集った作家たちは「エコール・ド・パリ(パリ派)」と称され、ロシア出身のマルク・シャガールや、佐伯祐三などの作家たちが自らの表現を追求し、多彩な世界を切り拓いていった。

 他方、当時の歓楽街モンマルトル界隈の喧噪を避け、多くの作家が移住したセーヌ川沿いでは、マリー・ローランサンと詩人アポリネールの恋が生まれ、同時代のアルベール・マルケはセーヌ川沿いのアトリエから《ノートルダム 曇天》(1924)を描いた。そして作家たちは文学や音楽、舞台など幅広い分野の人々と交流し、時代を共有した。

 さらに、1905年頃〜1910年の間には絵画史上で重要なフォーヴィスムとキュビスムがパリを中心に活動。強烈な色彩を心の感じるままに描き出した画家のなかでも、モーリス・ド・ヴラマンクはフォーヴに生涯を懸けた作家として知られている。

 本展では、印象派からエコール・ド・パリ、そしてその周辺作家たちの作品を紹介。主な出品作家は、オーギュスト・ルノワール、アントワーヌ・ブールデル、アルベール・マルケ、マリー・ローランサン、モーリス・ユトリロ、佐伯祐三など。

 2つの世界大戦のはざまの揺れ動く時代のなかで、作家たちは何を感じ、何を表現しようとしたのか。同館の西洋画コレクションから、パリを中心とする近代化や社会状況の変化に対する作家たちの感受性の一端を垣間見ることができるだろう。また本展は、オプティカル・アートの代表的なフランスの作家ヴィクトル・ヴァザルリの1970年代の版画作品を特別展示する。

※BBプラザ美術館は新型コロナウイルス感染症への対策のため、4月27日〜5月11日まで臨時休館し、5月12日より開館。最新情報は公式ウェブサイトへ。