赤木明登・菅原玄奨・寺田真由美「空の器 An Empty Vessel」

　赤木明登、菅原玄奨、寺田真由美によるグループ展「空の器 An Empty Vessel」がMA2 Galleryで開催される。

　MA2 Galleryではこれまで、技法や世代、現代美術と工芸などジャンルを超えた作品を、「空間に美しく共存させる」という企画展を試行錯誤しながら継続して行ってきた。

　今回迎えるのは、漆芸、彫刻、写真と出自も世代も異なる作家たち。赤木明登、菅原玄奨、寺田真由美の3人は、「在・不在」「表（質感）・内（量感）」を強く意識して作品を制作し、そこに自らの個人的な事柄や主張は深く潜ませ露にしない、という共通点が挙げられる。

「人が不在することで、本当に大切なものが現れ、遺してくれることがある」。出品作家である寺田は、2020年秋に新作の「天視」シリーズに寄せたテキストのなかで書いた。

　MA2 Galleryは、コロナの世界的流行で、人のあり方や生活の時間について改めて新しい視点で考えるようになったいま、本展が現代の私たちにとって大切な何かについて思索が交差する場になればとしている。