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内藤京平「ドローイング」

内藤京平 relax 2021

内藤京平 happy 2021

 内藤京平は1989年東京都生まれ。2015年に東京藝術大学を卒業、17年に同大学大学院油画技法材料研究室を修了し、現在は東京を拠点に制作活動を続けている。

 これまで内藤は、西洋絵画とシンプルな線を組み合わせた絵画作品のシリーズを中心に発表。様々な技法を用いて精巧に模写した西洋絵画を大胆にトリミングし、洞窟壁画をイメージした線を描き加えた絵画には、参照された作品の時代や背景を超えて、現代のエッセンスが抽出されている。

 本展では、絵画作品とはまた違ったモチーフとして、現代と比較的近い時代の偉人のポートレイトを参照した新作のドローイングを発表。日本古来の素朴表現を思い起こさせるユーモラスで伸びやかな線を加えた作品は、構図や余白、組み合わせの妙が相まって、コミカルかつアイロニカルであり、人間のおかしみや不条理さをそこはかとなく漂わせる。

「昔の偉人のポートレイトには、当時の表情が現代にも残っています。目元や口元、ちょっとした表情のつくりが、人の心の微細な動きを感じさせます。偉人を少しデフォルメして模写したり、余白に線を描いて画面を変化させたりしながら、偉人たちの人間性に思いを馳せつつ描いています(内藤京平)」。