GRAPHIC WEST 9: Sulki & Min

　東京以西（あるいは以外）のグラフィックデザイナーと協働する実験的展覧会シリーズ「GRAPHIC WEST」。9回目となる今回は、グラフィックデザイナー・デュオのSulki & Min（チェ・スルギとチェ・ソンミン）とコラボレーションする。会期は3月19日まで。

　Sulki & Minは韓国・ソウルを拠点に活動。国立現代美術館やソウル市立美術館、国立アジア文化殿堂、BMWグッケンハイム・ラボ、また出版社のMunhakdongne、設計事務所のMass Studiesなどをクライアントに持つ。これまでに国内外の数多くの展覧会に参加。作品は、MMCA果川館（韓国）やM＋（香港）、クーパー・ヒューイット・スミスソニアン・デザイン・ミュージアム（アメリカ）、パリ装飾芸術美術館（フランス）、ヴィクトリア＆アルバート博物館（イギリス）のパーマネントコレクションに収蔵されている。

　従来の韓国／アジア的なデザインの枠組みを超え、国際的かつ批評的な活動で注目される2人。クライアントワークだけでなく、展覧会用の作品制作や出版活動、映像・ウェブ制作、翻訳・執筆と、いずれの領域においても高いレベルの作品を発表し続けている。
　
　日本での初個展となる本展では、2人の思考に迫るべく、2000年代半ばから現在に至るまでに制作した作品を網羅。過去の作品に番号を割り当て、1〜89まではSulki & Minと本展キュレーターの後藤哲也が選んだ代表的な作品を、アイテム90以降は、キュレーターやアーティストとの長期的なコラボレーション作品群をまとめて紹介している。

　なお本展の特設サイトでも作品の詳細を掲載。合わせて、公益財団法人DNP文化振興財団のYouTubeチャンネルにて、「Graphic West 9: Sulki & Min」展の解説動画を公開している。

　本展のキュレーションを務める後藤哲也は、自らもデザイナーであり、キュレーター、エディターとして活動。展覧会のキュレーションや執筆活動に軸足を置きながら、アジア～ヨーロッパのデザイナーネットワークを用いた集団的な制作に取り組む。現在、『アイデア』誌上にて韓国のグラフィックデザインに関する連載「MIRRORS」を連載中。JAGDA「The Graphic Design Review」編集委員。近畿大学文芸学部准教授、大阪芸術大学デザイン学科客員教授。