EXHIBITIONS

「Infinite Jest」倉田悟×根本祐杜 by Tomio Koyama Gallery

2021.02.23 - 03.14

根本祐杜 わくわくさん 2020

倉田悟 4P 2020

 小山登美夫ギャラリー(東京・六本木)の企画による2人展「Infinite Jest」がCADAN有楽町で開催。アーティストの倉田悟と根本祐杜を紹介する。

 倉田は1991年東京生まれ。2014年武蔵野美術大学造形学部油絵専攻を卒業後、ベルリン芸術大学へ協定留学。17年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。現在は東京を拠点に活動し、自身の記憶や直観的なイメージを出発点とした独特のユーモアと物語性を湛える絵画作品を描いている。近年の主な個展に「Weird Void」(武蔵野美術大学 FAL、東京、2020)。

 根本は1992年千葉県生まれ。2020年にアテネ国立芸術大学交換留学を経て、現在は東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程に在籍中。彫刻作品を中心に制作し、奔放な造形に現代社会のルールやシステムへの皮肉を込めている。主な個展に「パーフェクト・オフィス」(AOYAMA STUDIO164、東京、2020)。「CAF賞2018」最優秀賞を受賞。

 絵画と彫刻という異なる媒体を用いている作家2人に共通するのは、現実の生活に着想を得ながら、ともにキャラクター化や素材の組み合わせといった記号操作や、ユーモアの感覚を経ながら作品化していること。2人は時にシビアな問題をモチーフとし、作品を通してそれらを軽やかに反転させようとしている。

 倉田が一緒に展示をしたいアーティストとして根本を選び、実現した本展。倉田によるペインティングと、根本によるセラミック作品それぞれを約10点展示する。

「Infinite Jest」はデヴィッド・フォスター・ウォレスによる同名小説『Infinite Jest』(1996)からの引用。「無限の冗談」を意味するこの言葉に強くひかれ、展覧会のタイトルにしたという倉田は、「これは、異なる文化や他者(とくに自分たちが影響を受けた西洋の文化)を完全に理解することはできないという不可能性・諦めと、想像力による誤訳の可能性や希望を同時に示し、冗談やしゃれ、ユーモアの重要性を主張している」と述べている。