EXHIBITIONS

木村充伯|見知らぬ人

Super Gallery
2021.01.19 - 02.06, 2021.02.16 - 03.13

撮影=都甲ユウタ

木村充伯 Wonderful Man 2015 撮影=タン・ルイ

 彫刻家・木村充伯(きむら・みつのり)の個展「見知らぬ人」が、名古屋市港区の公設市場の一角を改装したSuper Galleryで開催中。会期は3月13日まで。

 木村は1983年静岡県生まれ。「人と動物の関係」をテーマに、人間や哺乳類、生死をつなぐものに焦点を当てた作品を手がけている。近年は動物や人の「発毛」という状態を再現するために、「毛が生えるパネル」を開発し、哺乳類や鳥類の作品を制作。作品表面を毛羽立たせて哺乳類や鳥類の毛や羽をつくり出す表現を追求している。

 木村は本展のPart1(1月19日〜2月6日)で旧作を展示。Part2(2月16日〜3月13日)では、Super Galleryのある港まちの場所性から想起した新作を発表する。

 新作は5000年前に生存したとされるクジラの祖先「パキケトゥス」がモチーフ。パキケトゥスは4本足で陸上を歩き、毛が生えていたとされており、木村は生物の命を育んできた海を起点に哺乳類の進化の過程を木彫作品で表現した。

 会場のSuper Galleryはウインドーギャラリーのため、休廊日(日月祝)でも作品を鑑賞可能。街角に建つウィンドウギャラリーに展示される動物の視線は、同じ哺乳類や生き物たちとの共存について考える機会を与えてくれるだろう。