EXHIBITIONS

アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.9

三宅砂織

「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」(東京都現代美術館、2019)での展示風景 撮影=森田兼次(Kenji Morita)

「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」(東京都現代美術館、2019)での展示風景 撮影=森田兼次(Kenji Morita)

三宅砂織 The missing shade25-1 2017

三宅砂織 The missing shade25-2 2017

 アートが生まれる瞬間を体験できる岐阜県美術館の「アーティスト・イン・ミュージアム(AiM)」。その9回目では、同県出身のアーティスト・三宅砂織が滞在制作を行う。

 三宅は1975年生まれ。1998年京都市立芸術大学美術学部美術科卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでの交換留学を経て、2000年に京都市立芸術大学大学院美術研究科を修了。これまで、カメラを使わない写真技術「フォトグラム」の手法を用いた作品制作を行ってきた。

 既存の写真や印刷物をもとに描き、写真印画紙へ感光し再表出させることで生まれる作品は、それらのイメージが含みこむ物語や歴史的背景をも表出させる。近年は映像作品や、制作に用いた品々を展示に組み込むことにも取り組む。

 創作の幅を広げながら三宅は、人々の眼差しに内在する「絵画的な像」を、個の特異な経験の断片であると同時に、歴史や文化の連なりのあらわれでもあるような多声的空間として浮かび上がらせようと試みている。

 今回の滞在制作は2月13日~3月28日まで。館内に設置されるアトリエで制作を行い、岐阜県の風土・歴史・文化に改めてふれ、そこで出会ったものを作品に落とし込む。アトリエでの滞在日は、会期中の金土日。