EXHIBITIONS

影山萌子「よそのうち」

2021.02.09 - 03.06

影山萌子 砂のホテル 2021 © Kageyama Moeko

影山萌子 よその窓 2021 © Kageyama Moeko

影山萌子 砂の女 2021 © Kageyama Moeko

 ペインター・影山萌子の個展「よそのうち」がMARUEIDO JAPANで開催される。

 2019年に武蔵野美術大学大学院を修了した影山は、生まれ育った大都市・東京のなかで遭遇してきた混乱や疑問などを、絵画を描くことで画面のなかで探ってきた。作家のなかのリアリティと外のリアリティがつながらず、世界との距離を埋めるために描かれた仮想的にも見える風景は、徐々に固定観念を揺さぶり融解し、やがて他者である私たちの日常とつながっていくような感覚を呼び起こす。

 本展では「内と外」をテーマに、本来外から見えない壁の向こうにある他者の日常の光景が、わずかな隙間から結びつき、影山のなかで膨れ上がり展開していく。

「『ウォーリーをさがせ』のような絵探し絵本や、『シルバニアファミリー』のようなドールハウスの建物は、基本的にどこかの壁が取り払われ、断面が見えるようになっている。中身を見せるために除去された片側の世界、つまり『いま見えていない(つくられていない)だけの部分』をつねに想像し続けることでしか、作品は生まれないのではないか。共同アトリエや飲食店、バスや電車、あらゆる箱の内側と外側とが、か細い窓の隙間からわずかにつながり、視覚の風通しが良くなったいま、『中と外』『うちとよそ』の開かれ方やつながり方を例えるような作品群を展示する(影山萌子)」。