EXHIBITIONS

加瀬透「2つの窓辺」

2021.01.29 - 04.04

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 グラフィックデザイナー・加瀬透の個展「2つの窓辺」がCAGE GALLERYで開催されている。

 加瀬は1987年埼玉県生まれ。2011年桑沢デザイン研究所専攻デザイン科卒業。グラフィックデザインやエディトリアルデザインなどのデザインワーク、またグラフィックワークの制作・提供・展示を中心に活動。主な参加展覧会に「第21回グラフィック『1_WALL』展」(ガーディアン・ガーデン、東京、2019)、「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」(クリエイションギャラリーG8、東京、2018)などがある。

 加瀬は、グラフィック表現という領野を自由に翻訳しながら様々なアートワークを制作してきた。「2つの窓辺」と題した本展では、グラフィック表現とCAGE GALLERYのウィンドウディスプレイを接地させるカーテンを発表する。

 本展にあたって加瀬は、「グラフィック表現とはどのように在るか」を簡潔に思索したうえで、展示へのアプローチを丁寧に探っていくドキュメンテーションを書き起こすことから開始した。展示の前期では、グラフィックが印刷されたカーテンを左右のディスプレイに設置。カーテンは「グラフィック表現」と「ウィンドウディスプレイ」を接地させるメディアであり、ドキュメンテーションからは、これを手がかりに展示内容を構成していくプロセスを読み取ることができる。

 加瀬の試みは、グラフィック表現を用いた展示空間のひも解きであるいっぽう、ある特定の場所がグラフィック表現の拠り所となるための導線の計画ともとらえられる。加瀬は「寄生」という言葉でグラフィック表現の性質を言い表すが、本展においてその意識は、複数のレイヤーで通底している。

 本展のハンドアウトはギャラリー向かいのHender Scheme「スキマ」内に設置。ハンドアウト内のQRコードから、加瀬が執筆したドキュメンテーションを閲覧可能。