EXHIBITIONS

岡本光博展「オキナワ・ステーキ」

2021.02.06 - 02.27

展示風景 Photo by Daisaku OOZU

展示風景 Photo by Daisaku OOZU

岡本光博 オキナワ・ステーキ 2005 Photo by Daisaku OOZU

岡本光博 一方的な英雄たち 2005 Photo by Daisaku OOZU

岡本光博 赤絨毯 2020 Photo by Daisaku OOZU

展示風景 Photo by Daisaku OOZU

展示風景 Photo by Daisaku OOZU

岡本光博 演習中 2005 Photo by Daisaku OOZU

 アーティスト・岡本光博の個展「オキナワ・ステーキ」が開催される。本展は、工藤健志(青森県立美術館学芸員)のキュレーションによるもの。

 これまで、インド、ドイツ、スペインなどでの滞在制作を経て、2004〜06年までは沖縄と台湾で活動した岡本。沖縄が戦場となったことで、京都の歴史ある神社仏閣がいまも残されているという祖母の話を聞き、それを確かめるため沖縄を拠点に選んだ。

 2004年8月13日に沖縄国際大学で起きた、米軍ヘリコプターの墜落事件。岡本は現地の大学で非常勤講師を務めた際に、米軍のジェット機の騒音を沈黙のままやり過ごす学生を目の当たりにしていた。こうした経験から、岡本は沖縄と日本、在日米軍の関係を示す作品を数多く制作している。

 本展は、これまで岡本が制作した沖縄に関する表現から、ユーモアとウイットに富む作品を中心に展示。キュレーターの工藤健志は、「岡本作品の寓意性をもって、固定化した地域認識を乗り越え、沖縄に対するより自由な思考を喚起する場を提示する試み」としている。

 展示は、岡本によるパフォーマンス《漫湖へ》を収めた映像作品《to MANKO》から始まり、現代の沖縄の光景を出発点に戦時下の犠牲者たちの念を定着させた《赤絨毯》、そのガイドに沿って、沖縄が抱える問題をテーマにした《OKINAWAN STEAK》や《落米のおそれあり》を配置。堆積した時間/遺志と、侵食される現状/意思を相互に作用させながら、沖縄という地域を観念的に遡行/観光していくような構成で、岡本作品の本質を伝える。