EXHIBITIONS

植葉香澄「ZEPHYR - a gentle wind from west」

植葉香澄 morph 2020

植葉香澄 キメラエボリューション(飛天) 2021

植葉香澄 morph(駱駝) 2021

 植葉香澄(うえば・かすみ)は1978年京都市生まれ。京都市立芸術大学で陶芸を学んだ後、京都府陶工高等技術専門校図案科でさらにデザインを習得した。京友禅の絵師を祖父にもつ植葉は、伝統的な文様と現代的なフォルムを巧みに溶け合わせて陶の作品を制作。早くから若手の陶のアーティストとして注目され、2011年に京都府文化賞奨励賞を、12年には京都市芸術新人賞を続けて受賞する。

 植葉は近年、「好きな動物や好きなモチーフをミックスして架空の動物をつくっている」という。「キメラエボリューション」シリーズは、キメラをさらに進化させ、空想上のハイブリッドなキメラを擬人化したもの。犬にも舞妓にも見える作品、象と武士の立ち振る舞いをミックスさせた作品など、人間の姿態の伸びやかな動きをとらえて、硬質の陶でやわらかく表現している。

 本展では、「シルクロード」というアイディアを展開。中国・敦煌やイスラム圏のイメージに加え、ラクダの隊商、海のシルクロードを連想させるタコ、そして太陽神など様々なルートを網羅した豊かな生き物たちの競演は、これまで植葉が自身の作品のなかで使いこなしてきた日本の伝統文様のルーツにもさかのぼる試みとなる。