EXHIBITIONS

果てない眼差し

いしかわかずはる、大畑伸太郎、荻野夕奈、名もなき実昌、藤田桃子、藤永結、吉田朗

荻野夕奈 p-101120_1 2020 撮影=宮島径 © OGINO Yuna Courtesy Mizuma Art Gallery

いしかわかずはる 建ツ樹ヲ観テヰタ 2019 © ISHIKAWA Kazuharu Courtesy of the artist, YUKARI ART and Mizuma Art Gallery

大畑伸太郎 音の中 2012 撮影=宮島径 © OHATA Shintaro Courtesy of the artist, YUKARI ART and Mizuma Art Gallery

名もなき実昌 アブストラクト.jeg _(:3 」∠)_ 2020 撮影=宮島径 © Namonaki Sanemasa Courtesy of Mizuma Art Gallery

藤田桃子 まもりびと 2020 撮影=宮島径 © FUJITA Momoko Courtesy of Mizuma Art Gallery

藤永結 のんき 2016 © FUJINAGA Yui Courtesy of the artist, YUKARI ART and Mizuma Art Gallery

吉田朗 犬張り子 無景都市 東京都庁 2020 撮影=宮島径 © YOSHIDA Akira Courtesy of the artist, YUKARI ART and Mizuma Art Gallery

 ミヅマアートギャラリーは、若手作家を中心としたグループ展「果てない眼差し」を開催する。

 本展の参加アーティストは、いしかわかずはる、大畑伸太郎、荻野夕奈、名もなき実昌、藤田桃子、藤永結、吉田朗の7名。ミヅマアートギャラリー代表の三潴末雄は、「コロナ禍でも屈せずに日々制作を続けていた作家たちの作品群が、日々の(コロナとの)戦いに疲れた皆さまへ一服の清涼剤となれば」と言葉を寄せている。

 いしかわかずはるは、心にとまった何気ない光景を端的な線でとらえ、キャンバスなどの「新たな場」へ糸を用いて表現(再現)する画家。自身の活動を「線の旅」と名づけ、生み出された線が世代や国境を越えて人々の心をつないでいくことを目指している。

 大畑伸太郎は、日常にあふれる様々な「光」に焦点を当て、ありふれた風景を映画のひとコマのように描く。絵画(2次元)と立体(3次元)を組み合わせてひとつの世界を表現するスタイルは、舞台の演出をヒントに生み出され、独自の表現方法として確立している。

 女性解放思想と身体性を長年追及し、自己・女性の象徴として花を描き続ける荻野夕奈。身体の一部や花束などを、オールオーバーな構成と独創的な色の調和で表現し、近年は人物画にも挑戦している。

 名もなき実昌は、主にTwitterを発表の場に、インターネット上の画像やタッチパネル的な触覚をテーマとした、キャラクターが幽霊的に現れる作品を制作。描出と上書きを繰り返し、抽象化されたモチーフを画面に刻むことで、情報が蓄積された現代の風景画をつくり出している。

 藤田桃子は、身近にある自然の素材を丁寧に用いて、うごめくような、生命力あふれる作品を制作。パンデミックの最中に、自分を犠牲にしながらも他人を守る存在をテーマに最新作《まもりびと》を手がけた。

 子供を主なモチーフに描く藤永結は、身の回りや世のなかで起きた出来事から刺激を受け、それらに対して自らが感じることを人物の群像で表現している。

 吉田朗は、主にFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を素材とした立体に、エアブラシなどで繊細なペイントを施す。その作品は、現代社会が抱える問題や矛盾を風刺的、かつ優美に表している。