KYOTARO Clad in the Universe ‒ 宇宙を纏う

　KYOTAROは、異次元の目に見えない存在にかたちを与えることで、作品を制作している。ふとした瞬間に私たちが感じる何かの気配や、神秘的な体験は、KYOTAROの作品制作において大切な要素だ。今にも動き出しそうな躍動感あふれる画面、水滴や気泡の質感の描写、光、神々や幻獣、動物、妖精など、繊細で綿密なタッチからなる作品は、白黒を基調としながら、鑑賞者の意識を刺激し鮮やかな世界へと引き込む。

　本展は、「10万年後の世界で、未来人がまとう衣」をテーマに描いたドローイングを中心とした新作の大型作品13点と、ペイントも含めた小作品約80点を展示する大型個展。液体や光でできた衣、意識のやりとりを促す衣、通信機能が備わった衣など、現実での再現が難しく、普段見慣れない造形を表現することで、遠い未来に想いを馳せ、未知の世界を探求する空間をつくりだす。