EXHIBITIONS

中田一志「わたしの考古学」

代官山T-SITE anjin café
2020.12.11 - 2021.03.28

中田一志 砂漠での会話(「私の考古学」プロジェクトより)

中田一志 砂漠での会話(「私の考古学」プロジェクトより)

中田一志 砂漠での会話(「私の考古学」プロジェクトより)

 アーティスト・中田一志の個展「わたしの考古学」が開催中。本展では、中田がチベット密教や仏教の「時間」や人生の「終わり」についての解釈に着想を得て制作してきた、「私の考古学」プロジェクトを紹介している。

 中田は1967年石川県生まれ。90年東京ガラス工芸研究所卒業、94年イギリス王立美術大学修士課程修了。フィンランドを拠点に、これまでヨーロッパをはじめ、中国など世界各地でガラスを用いた作品を発表してきた。いっぽうで近年、中田の制作活動は、映像や写真などを用いた複合的なプロジェクトが中心になりつつある。

 本展では、2016年の初作品発表以来、16ヶ国と19もの地域を訪れ行われてきた「私の考古学」プロジェクトのなかから新作を含む7点を展示中だ。

 中田の手による、金色のガラスのオブジェはプリミティブな造形でありながら、どこか懐かしく温かみがある。そして、それぞれのオブジェに付与される写真と映像は、そのモノに関連する見知らぬ人物のエピソードへの実感を高める。
 
 同プロジェクトの作品制作では、中田がプロジェクト参加者との対話を通じてテーマを決め、それをもとに複数のオブジェをつくっていく。その後、完成した作品を撮影記録し、オブジェのひとつを地面や海中に埋蔵。オブジェの埋蔵場所は参加者と中田だけが知っており、後々このプロジェクトやオブジェについて知人や家族に話すことになる。

「私の考古学」プロジェクトを通じて、埋蔵されたオブジェ、現存するオブジェと写真、そして参加者にもたらされた思い出「経験記憶」の3つが、同時に未来に向かってそれぞれの時間軸を進んでいる。

※会期終了日を変更する可能性あり。最新情報は公式ウェブサイトへ。