「TRANSFORMATION」by KENSAKU KAKIMOTO

　柿本ケンサクの個展「TRANSFORMATION」が代官山ヒルサイドテラス・ヒルサイドフォーラムで開催される。

　柿本は、映画やコマーシャルフィルム、ミュージックビデオを中心に手がける映像作家、写真家。映像作品の多くは、言語化して表現することが不可能だと思われる被写体の体温や熱量、周辺に漂う空気や気温、時間が凝縮されている。対照的に、写真家としての活動では「演出すること」を放棄した時に、無意識に目の前にある世界の断片を撮り続けている。これまで、ACCグランプリをはじめ国内外で受賞多数。日本のみならず欧米やアジアへと活動範囲を広げている。

　本展では、柿本が、コロナ以前に撮影した数千枚に及ぶ写真を、任意のテキストや歴史情報、また自身の作品画像・映像を学習させたAIにより再現像させた新作「Time Tunnel」を初公開。コロナ以前・以後の人々の足跡や変化を写真のなかに再浮上させ、見るものに新たな風景を提示する。

「Time Tunnel」シリーズは、オーストラリアのクリエイティブチーム「Alt.vfx」のサポートのもと、本展のサイエンスアートチームとして技術協力したルーク・バブとピョートル・ストプニアックとの共作であり、コロナ禍においてすベての作品制作がリモートで実施された。

　また、何気ない事象を新たな視点で高解像度に再解釈し、ピントを合わせ直すことで新しいデザインとして再生させる新シリーズ「Trimming」なども発表。インターネット上のバーチャルミュージアムでも展示の様子が配信される。ウェブサイトのオープンは2021年1月9日 11:00（日本時間）より。