EXHIBITIONS
蓮井幹生「For yesterday」
写真家・蓮井幹生の個展「For yesterday」がWHYNOT.TOKYOで開催されている。
蓮井は1955年生まれ。アートディレクターの守谷猛に師事し、デザインを学んだ。84年から独学で写真を始め、88年の個展を機に写真家への転向。新潮社の雑誌『03』をはじめとするカルチャー系エディトリアルシーンで著名人のポートレイト作品を発表し、注目を集める。90年代から撮影が続く「PEACE LAND」は、作家の世界観の中核をなす作品群。作品集の出版を通して継続的に発表され、2009年にはフランス国立図書館へ収蔵された。現在、長野を拠点に制作を行う。
本展は、「網膜に写るものに意識が反応した時に写真という行為は始まる」と語る蓮井が、「意識として過去」のなかに仕舞われた自身の人生を呼び起こし、新たに現像した全作未公開の「For yesterday」を展示。各作品に作家が寄せたテキストと合わせて鑑賞する展覧会となる。
水面の揺らぎ、不安定な構図で撮られた街角で蹲る老婆、親子がともに過ごした病床での静かな午後。「For yesterday」において、蓮井がライフワークとして取り組んできた水平線に向けられた眼差しは水面を見下ろし、抽象的な光と色彩は分断される世界の光と闇として写し出されている。
手放した光景、あるいは手放さざるを得なかった光景に新たな生を与える「For yesterday」の作品群を目の前に、人生の確かなひとときを目撃する鑑賞の経験は、私たちを「大切なものとは何か」という普遍的な問いかけへ誘う。
蓮井は1955年生まれ。アートディレクターの守谷猛に師事し、デザインを学んだ。84年から独学で写真を始め、88年の個展を機に写真家への転向。新潮社の雑誌『03』をはじめとするカルチャー系エディトリアルシーンで著名人のポートレイト作品を発表し、注目を集める。90年代から撮影が続く「PEACE LAND」は、作家の世界観の中核をなす作品群。作品集の出版を通して継続的に発表され、2009年にはフランス国立図書館へ収蔵された。現在、長野を拠点に制作を行う。
本展は、「網膜に写るものに意識が反応した時に写真という行為は始まる」と語る蓮井が、「意識として過去」のなかに仕舞われた自身の人生を呼び起こし、新たに現像した全作未公開の「For yesterday」を展示。各作品に作家が寄せたテキストと合わせて鑑賞する展覧会となる。
水面の揺らぎ、不安定な構図で撮られた街角で蹲る老婆、親子がともに過ごした病床での静かな午後。「For yesterday」において、蓮井がライフワークとして取り組んできた水平線に向けられた眼差しは水面を見下ろし、抽象的な光と色彩は分断される世界の光と闇として写し出されている。
手放した光景、あるいは手放さざるを得なかった光景に新たな生を与える「For yesterday」の作品群を目の前に、人生の確かなひとときを目撃する鑑賞の経験は、私たちを「大切なものとは何か」という普遍的な問いかけへ誘う。