後藤夢乃 展「Bacchus,Aradia,Moon dances.」

　現代アーティスト・後藤夢乃の初個展「Bacchus,Aradia,Moon dances.」が、タグボート（銀座・阪急MEN’S TOKYO 7階）のギャラリースペースで開催される。

　後藤は1996年東京都生まれ、2019年女子美術大学洋画専攻卒業。現在、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻（第一研究室）に在籍する若手作家。2020年9月に開催された「TAGBOAT×百段階段」展では出展作品すべてが完売しひときわ存在感を放った。

　 後藤の作品には、伝説や中世西洋を感じさせるモチーフや、浮遊感を覚える神秘的な暗闇に聖母や神の姿が登場する。人間が神の像を前に祈ることで神聖な領域にふれようとするように、後藤は絵を描くことでその神性にふれようとしている。

　本展では、人間が共通してもつ愛のかたちや、宗教観、死生観を、西洋的でありながらも日本的な曖昧さを併せ持つ作風で表現した新作約20点を展示・販売する。

　個人の内省的な幻想世界を描くのではなく、現代の私たちにも共通する人間や事象の根底的な部分を探りながら描く。 後藤はそうして、昔からなんら変わることのない、いまを生きる私たちの存在という不可思議を問いかける。