EXHIBITIONS

Hiroshi Kobayashi & Jun-seok Kang

2020.12.02 - 12.15

©︎ Hiroshi Kobayashi

©︎ Hiroshi Kobayashi

©︎ Jun-seok Kang

©︎ Jun-seok Kang

 SH ART PROJECTでは、小林浩とJun-Seok Kangの2人展を開催。東京藝術大学を卒業後、オーストラリア・パースを拠点に独自の「パタグラフィー(Patagraph)技法」で自然を描く小林と、韓国・済州島の森のなかで、愛犬と秘密の風景に出会う物語を描くJun-Seok Kangを紹介する。

 小林が生み出した「Patagraph」とは、小説家アルフレッド・ジャリの「パタフィジクス(形而上学を超えた空想的物理学)」と「-graph(記録のための道具)」との造語。制作では、ある場所から得たインスピレーションと、哲学者アンリ・ベルクソンの「時間」と「物質」と「表象」に対する思想を連携し、その場でモノと共鳴共感した「エントロピー」の状態を、カッティングプロッターと空気圧ディスペンサーという「機械(パタグラフィー)」を通じて表現している。小林は日本では、2006年の東京オペラシティ アートギャラリーでの個展以来の展示となる。

 Kangは韓国・釜山生まれ。愛犬と一緒に秘密の森を発見し、散歩を楽しんだ体験をもとに、アトリエに持ち帰ったイメージを集め、自らの想像も作品に加えながらキャンバスのうえに展開している。韓国画の伝統的な書き方を用い、アクリル絵具を薄く、何回も塗り重ね、世界を優しく表現した物語は、Kangが実際の散歩中に出会えった出来事から始まり、作家だけ知っている道のつきあたりにある遊歩道のようなエピソードも作品から垣間見ることができる。