EXHIBITIONS

ジョアンナ・タガダ・ホフベック「わたしがつくったもの」

2020.11.16 - 11.29

ジョアンナ・タガダ・ホフベック Self-portrait in Alsace 2020 © Johanna Tagada Hoffbeck

ジョアンナ・タガダ・ホフベック Géranium Pélagorium 01 2020 © Johanna Tagada Hoffbeck

ジョアンナ・タガダ・ホフベック Cigogne d’Obernai I 2020 © Johanna Tagada Hoffbeck

ジョアンナ・タガダ・ホフベック The future taste like jam. 2020 © Johanna Tagada Hoffbeck

ジョアンナ・タガダ・ホフベック A Flower for my room 2020 © Johanna Tagada Hoffbeck

 フランス出身のアーティスト、ジョアンナ・タガダ・ホフベックの個展がnidi galleryで開催される。

 タガダ・ホフベックは1990年生まれ、ロンドン在住。ペインティング、ドローイング、インスタレーション、彫刻、映画、写真、やわらかく繊細でエコロジカルなメッセージが含まれたテクストなど様々なメディアを用いて制作を行う。これまで個展、グループ展多数。2014年にポジティブなコラボレーションプロジェクト「Poetic Pastel」を設立。18年には出版プロジェクト「Journal du Thé ‒ Contemporary Tea Culture」を始動し、最初の作品集『Daily Practice』(InOtherWords)を出版した。

 本展では、主にグワッシュを使って描かれた、生き生きとしたペインティングの最新作やドローイング、テキスタイル、写真、彫刻、映像作品を発表。本展はアーティストの心と、大切にしている大地(人間や動物から、虫、草花、有機物に至るまで、地球に生きるすべての生命体を含む)をめぐる旅でもある。

 出品作のひとつ《The Things I Made ─わたしがつくったもの》は、今年作家がフランス・アルザスで目にしたものからインスピレーションを得たもの。ストラスブール近郊の小さな町・オベルネで巣をかけるコウノトリや、ゼラニウムの鉢植え、作家の家族の有機農園と、そこで働きながら様々なものを観察した記憶など。生まれたところに戻ること、土に還ること、種を蒔くこと、そして希望をもつことに思いをめぐらせて制作された。

 タガダ・ホフベックの日記はまた、自然環境に関するリサーチで見つけた憂慮すべき統計からの引用も刺繍され、不毛な土地に対する危惧はテキスタイルに刻まれるなど、地球の多様でよりよい未来への、心からの信念を内包している。

 本展では最新作に併せて、各地で展開されたプロジェクト「Epistolaire Imaginaire ─わけあうことば」(東京、ロサンゼルス、ロンドン、ストラスブール、2014〜17)のアーカイヴ展示と、新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンの最中、グラフィックデザイナーのAlyssia Louと共同で考案した映像作品《fleures.org》も公開する。