EXHIBITIONS

東日本大震災復興祈念

奈良・中宮寺の国宝展

2020.11.12 - 2021.01.12

菩薩半跏思惟像 飛鳥時代 中宮寺蔵 撮影=佐々木香輔 国宝

文殊菩薩立像 鎌倉時代 中宮寺蔵 撮影=森村欣司 画像提供=奈良国立博物館 重要文化財

花鳥散図襖 江戸時代 中宮寺蔵 撮影=森村欣司 画像提供=奈良国立博物館

 宮城県美術館は東日本大震災復興を祈念し、中宮寺に伝わる貴重な寺宝による「奈良・中宮寺の国宝展」を開催する。

 奈良・斑鳩の法隆寺の東に位置する中宮寺は、聖徳太子の御母・穴穂部間人皇后(あなほべのはしひとこうごう)崩御の後、その住まいを聖徳太子が寺院にされたと伝わっている。鎌倉時代の信如(しんにょ)尼による復興を経た後、室町時代には宮家の王女を迎える尼門跡(あまもんぜき)寺院となった。

 中宮寺は、現在も大和三門跡に数えられる現存最古の尼寺として、また、2件の貴重な国宝を伝える寺院として知られている。そのひとつである本尊の《菩薩半跏思惟像》は飛鳥時代の最高傑作であり、日本を代表する仏像としても名高い。

 本展は、東日本大震災から10年を迎える被災地の復興を祈念して、東北地方で初めて国宝《菩薩半跏思惟像》を公開。さらに、もうひとつの国宝である《天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう)》を複製などによって紹介するほか、珍しい紙製の仏像である《文殊菩薩立像》(重要文化財)や、金地に色鮮やかな花鳥が描かれた華麗な襖絵など、歴代の門跡、尼僧らによって守り伝えられてきた寺宝の数々を展覧する。