EXHIBITIONS

川島清「パティオⅢ-七題-」

川島清 パティオ 24 - 水の兆 2001/2012 撮影=山本糾

 鉄や鉛など、重厚な素材を用いて制作を続ける彫刻家・川島清の個展がギャルリー東京ユマニテで開催される。

 川島は1951年福島県生まれ。86〜88年にAsian Cultural Councilの助成を受けて渡米。P.S.1プロジェクト(ニューヨーク)に参加。93年の「川島清 内層の視点―Observation」(いわき市立美術館)や、「90年代の日本-13人のアーティストたちの提言」(ローマ市立フォルクローレ美術館/デュッセルドルフ美術館)、2000年の「ART TODAY 2000―3つの回顧から」(セゾン現代美術館、長野)などに出品。個展を発表の中心として精力的に制作活動を行っている。

 近年は13年の「ミニマル|ポストミニマル 1970年代以降の絵画と彫刻」(宇都宮美術館)に参加。さらに16年には、川越市立美術館、いわき市立美術館にて開催された、新作を含む大規模な個展が好評を博すなど、日本を代表する彫刻家のひとりとして活躍している。

 鉄、鉛、木、石膏など、重厚な素材を用いて構成される川島の彫刻は、身体を通して紡ぎだされる言葉とともに構築された空間を提示する。いっぽう、平面作品として発表されるドローイングは、彫刻のためのデッサン、プランとしての位置づけではなく、紙や板など素材のうえに成立した彫刻として、また別の位置づけがなされる。

 本展は、川島が近年発表を続ける、木、鉄、鉛を素材とした彫刻作品「Patio」シリーズの新作を含めた7点を展示。なお本展と同時期に、宇都宮美術館のコレクション展示(〜11月29日)でも、川島の作品を見ることができる。