EXHIBITIONS
LILY SHU「i was real」
中国出身のアーティスト、LILY SHU(リリー・シュウ)の個展「i was real」がkanzan galleryで開催されている。
LILY SHUは1988年中国黒龍江省ハルピン市生まれ。日本とイギリスで歴史と哲学を研究した後、東京藝術大学で写真から始め、現代美術の表現を学び、在学中から作品を発表してきた。不可視なものの波動と響きによってつくられる空間、身体的行為や動きとなる以前の状態に含まれる身体性とその志向性について関心を抱きながら、制作を続けている。
本展では、自身の写真によるデジタル・コラージュ作品と映像作品を発表する。
今作では、広告的で速報的な現代メディアの視覚伝達のあり方に抵抗して、静観する姿勢を促すかのような静謐な風景が構築され、ある種生きて呼吸しているような地形が出現する。写真表現に特有な具象性と作家の主観による抽象が溶け合っていくなかで、機械的な操作によって捕らえられた色彩とかたちが、人間的なものと非人間的なもののあいだを揺らぎ、見て感じ、見て想像することの現在と可能性を問いかける。
つねにドライであり同時に人間味にあふれた作品を手がけるLILY SHU。一個人の精神空間が社会的な言説空間と重なり合うことで、広がりをもって表現された作品は、人間と人間、人間と世界との隔たりを顕著なものとし、有機質なものと無機質なものとの境界が曖昧になっていく、ポストコロナ時代に対する省察も感じ取ることができるだろう。
LILY SHUは1988年中国黒龍江省ハルピン市生まれ。日本とイギリスで歴史と哲学を研究した後、東京藝術大学で写真から始め、現代美術の表現を学び、在学中から作品を発表してきた。不可視なものの波動と響きによってつくられる空間、身体的行為や動きとなる以前の状態に含まれる身体性とその志向性について関心を抱きながら、制作を続けている。
本展では、自身の写真によるデジタル・コラージュ作品と映像作品を発表する。
今作では、広告的で速報的な現代メディアの視覚伝達のあり方に抵抗して、静観する姿勢を促すかのような静謐な風景が構築され、ある種生きて呼吸しているような地形が出現する。写真表現に特有な具象性と作家の主観による抽象が溶け合っていくなかで、機械的な操作によって捕らえられた色彩とかたちが、人間的なものと非人間的なもののあいだを揺らぎ、見て感じ、見て想像することの現在と可能性を問いかける。
つねにドライであり同時に人間味にあふれた作品を手がけるLILY SHU。一個人の精神空間が社会的な言説空間と重なり合うことで、広がりをもって表現された作品は、人間と人間、人間と世界との隔たりを顕著なものとし、有機質なものと無機質なものとの境界が曖昧になっていく、ポストコロナ時代に対する省察も感じ取ることができるだろう。