大谷一生「WHERE IS LOVE.」

　大谷一生の個展がメグミオギタギャラリーで開催。会期中には、オンラインビューイングの公開も予定している。

　1977年生まれの大谷は、和光大学芸術学科で学び、身近な存在を題材として描きながら精力的に作品を発表。今年、青山グランドホテルの開業に伴い制作された作品が客室や廊下に常設展示されるなど、ジャンルにとらわれず幅広く活動している。

　大谷はアクリル絵具やスプレーなどを用いて絵画を制作。作家の内的世界を反映させたような鮮やかでエモーショナルな画面や、主観的な意識過程を対象物の歪みによって強調させるような描写は、西洋近代画、こと表現主義の作品を彷彿とさせる。

　いっぽうで、平面的な構成、線の強弱による生命の躍動感、下絵のない一発描きの水墨画と思わせるグラフィックで瑞々しい表現など、伝統的な東洋美術の影響も随所に見られる。

　本展では、東洋と西洋が融合した、現代の日本における作家としての可能性を追求する大谷の、最新の大作を中心に作品約20点を展示。異なる要素をサンプリングしながら、まったく新しい楽曲を創造するように、作家自身の多様な経験がもとになった作品は、見る者を刺激し、新鮮な感動を与えてくれるだろう。