EXHIBITIONS

アジテイション:攪拌のポートレイト

コートヤードHIROO
2020.11.06 - 11.29

Victoria Sin Part One / She Was More Than the Sum of My Parts 2016 Courtesy of the artist

Cibelle Cavalli Bastos Image from SelfDefrag Studio Dive 2020 Courtesy of the artist

Neil Haas Baseball 2020 Courtesy of the artist

Kenji Hirasawa Figure 2010-2020 Courtesy of the artist

Motoko Ishibashi Serena 2020 Courtesy of the artist

Yuki Kobayashi The Subject is Love(the series of New Gender Bending Strawberry) 2018 Courtesy of the artist

 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート出身者による、ポートレイトをテーマとした展覧会がコートヤードHIROOで開催。国内外から、シベリ・カヴァリ・バストス、ニール・ハース、平澤賢治、石橋征子(いしばし・もとこ)、金澤韻(かなざわ・こだま)、小林勇輝、ヴィクトリア・シンの7人が参加する。

 シベリ・カヴァリ・バストスは1978年ブラジル・サンパウロ生まれ、ベルリン在住。2015年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート美術科絵画専攻修士課程を修了後、ベルリン、サンパウロ、ロンドンを拠点に活動。デジタル時代におけるアイデンティティ、言語行為の遂行性、絵を使ったコミュニケーションなど、あらゆる行動パターンの普及における概念の変化に関するリサーチを行い、目的・時・場所の特殊性を横断した、多分野にまたぐ表現を展開している。

 ニール・ハースは1971年サウス・シールズ生まれ、ロンドン在住。2014年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート美術科絵画専攻修士課程修了。人物画や抽象画、立体作品を制作し、ロンドンやフランスにて作品を発表している。

 平澤賢治は1982年東京都生まれ。2006年に慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、スタジオ勤務を経て独立し、渡英。ヨーロッパ、日本で数々のグループ展に参加するほか、ニック・ナイトが主宰する「SHOWstudio」でも活躍。写真雑誌『Photoworks』『GUP』の表紙を飾るなど注目を集め、16年には「HORSE」シリーズが、ISSEY MIYAKE MEN 2016年秋冬コレクションに起用される。同年、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート写真専攻修士課程を修了し、現在は東京とロンドンを拠点としている。

 石橋征子は1987年長崎県生まれ。2010年に慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻を卒業後、渡英。多様な様式を参照し、組み合わせる絵画を中心に、パフォーマンスやインスタレーション作品を発表している。15年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート美術科絵画専攻修士課程修了後、ロンドンとスコットランドのハイランドを拠点に活動している。

 金澤韻は1973年神奈川県生まれ。インディペンデント・キュレーター。これまで国内外での展覧会企画多数。グローバリゼーション、ニュー・メディア・アート、そして日本の近現代史を扱い、時代・社会の変化とともに変容する人々の認識と、私たちに精神的な困難をもたらすものをとらえ、問題解決の糸口を探る。近年携わった展覧会に、「AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」(十和田市現代美術館、2019)、「こども時代」(パレ・ド・トーキョー、フランス、2018)など。本展には創作的テキストで参加する。

 小林勇輝は1990年東京都生まれ。2008年にハワイ州立大学付属カピオラニコミュニティーカレッジ在学後、10年に渡英。14年ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ学位課程卒業後、日本人として初めてロイヤル・ カレッジ・オブ・アート、パフォーマンス科に入学、16年修士課程修了。自身の身体を中性的な立体物として用いて、性や障害、人種的な固定観念に問いかける、また自由と平等の不確かな社会コードを疑い、人間の存在意義を探るパフォーマンス作品を発表している。

 ヴィクトリア・シンは1991年カナダ・トロント生まれ。思索的なフィクションを取り入れたパフォーマンス、映像、ライティング、プリント作品を通して、欲望、自己同一性、客体化といった規範的なプロセスを問う。見ること、欲することの個人的経験から引き出された作品は、社会的身体のなかで不安を掻き立てる肉体の経験を、細密に構築された空想の物語によって表現する。

 本展は、平澤賢治と石橋征子の呼びかけによって実現。企画にあたって、「コロナや様々な対立による孤立状態が蔓延するなかで、他者の多様なあり方にふれる機会になれば」としている。