EXHIBITIONS

伊藤隆介「Domestic Affairs」

2020.10.17 - 11.21

伊藤隆介 Ghost World(部分) 2019 画像提供=児玉画廊

 実験映画や映像インスタレーションを発表してきた伊藤隆介の個展「Domestic Affairs」が児玉画廊|天王洲で開催されている。

 伊藤は1963年北海道生まれ。88年東京造形大学卒業、92年シカゴ美術館附属大学大学院修了。幼少期から特撮のメイキングに影響を受け、自らが手がけたミニチュアやセットをヴィデオで撮影した映像作品を制作してきた。映画のワンシーンを思わせる展示空間に、それを撮影したライブ映像を投影し、現実とメディアの段差を表現した「Realistic Virtuality」シリーズが代表作にある。

 近年の個展に「ゴーストワールド」(CAI02、北海道、2019)。主な展覧会に、「The Remains of Cinema」(Künstlerhaus Graz、オーストリア、2018)、「札幌国際芸術祭2017」(モエレ沼公園、2017)、「天王洲洋画劇場」(児玉画廊|天王洲、東京、2016)などがある。

 本展では、これまでと同様の方法で現実とメディアの関係を提示。家をモチーフとした作品は目の前に迫るアトラクションのような要素をもちながら、日常生活のなかにある精神の葛藤と、家が火事なる状況を重ね合わせた映像を映し出し、深刻さとコミカルさというふたつの側面から「死」を体験するような空間が展開される。