EXHIBITIONS

福山一光 展

福山一光 猊鼻渓 2020

 東北の山々や身近にある自然を描いてきた画家・福山一光の個展が、MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYで開催される。

 福山は1974年岩手県生まれ。2007年に東京藝術大学大学院美術研究科博士美術専攻日本画を修了。個展・グループ展多数。現在は無所属で国内外にて広く活動し、主に故郷である東北の地を題材に墨を使った表現で自身の心象風景を描いている。近年では、より自身の思い描く像を具体化するため、扱う紙や水の加減などの工夫を試みている。

 本展では、およそ7メートルに及ぶ大作を中心に、故郷・東北の地を題材とした作品や、ライフワークである夢日記帳をモチーフにしたパステル画など作品約33点を展示。日本画の表現を用いて、コンテンポラリーアートとして昇華していく制作の過程にも光を当てる。

「自身の思い描く画像を、より近いかたちで具現化できる方法は何だろうかと悩んでいたとき、ふと、直感的に墨での表現を試してみようと思いつきました。2010年のことです。以来、独自の水墨表現を目指すため、これまで勉強してきた日本画の技法を活かしつつ、試作をかさねてきました。墨と紙との相性や水加減などの感覚を探っていくなかで、少しずつですが、自身の思い描く画像に近づくことができるようになってきたと感じています(展覧会に向けてのコメントより一部、福山一光)」