EXHIBITIONS

A SPACE ODYSSEY

岡野智史/マット ロック/木村俊幸/小川泰

2020.10.06 - 11.13

展示風景より

展示風景より

展示風景より

©︎ Satoshi OKANO

©︎ Matt LOCK

©︎ Toshiyuki KIMURA

©︎ Tai OGAWA

 岡野智史、マット・ロック、木村俊幸、小川泰の4名によるグループ展「SPACE ODYSSAY」がCLEAR GALLERY TOKYOで開催中。会期は11月7日まで。

 岡野は1979年埼玉県生まれ。2004年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、現在は東京を拠点に活動。エアブラシや鉛筆を用いて独自に開発した技法を使い、奇妙でユーモラスな風景を描く。対象についての考察と技法の実験などを制作テーマとしており、そこから生まれる齟齬が作品の魅力のひとつとなっている。主な展覧会に、「cast」(mograg gallery、東京、2018)、「フェットプロジェクト2016」(府中市美術館 市民ギャラリー、2016)などがある。

 ロックは1984年アメリカ・マサチューセッツ生まれ。現在、ニュージャージー在住。独学で制作を始め、断片的な物語が内包されたサイバーパンク的SF風景が特徴の作品が世界的な人気を得ている。2012年にDomy Books(テキサス)、10年にFeinkunst Krüger(ドイツ)で個展を開催。活動のベースを出版物としており、Nieves(スイス)、Re:Surgo!(ドイツ)、SSE Project(韓国)、hoboShobo(フランス)などからZINEが出版されている。日本では、16年に小川泰とのコラボレーションZINE『Post Apocalypse』をMUERTEから発表している。

 木村は1969年生まれの現代美術家、VFX監督、マットアーティスト。アーティスト・ラン・スペースLOOP HOLE(東京・府中)を主催。「MATIM」と冠した自身の時空の反転世界を宇宙的稚生態ととらえてシリーズ化し、展覧会で発表するほか、画集やZINEなどに展開している。2020年には、初の脱自己啓発的没我宇宙小説『MATIM -聴衆令嬢戦記-』(エスエス企画)を、5年の歳月をかけて108頁にまとめ上げた。

 小川は1981年茨城県生まれ。2006年武蔵野美術大学大学院油絵コース修了。2次元である平面に3次元空間を創出することを絵画と定義し、平面の可能性を拡張すべく、仮想空間であるモニタのなかをアナログで再現することを試みる。これまで東京や韓国、ニューヨーク、ドイツなど国内外で作品を発表している。

 本展のテーマは「宇宙旅行」。4人の作家によって可視化された世界は、「イスフェーク(*1)」によって描かれた、「読まなくたって、読めちゃうSF」なのか、作家には見えている現実の世界か、実際に会場で体感してほしい。

*1──野田昌宏著『お墓に青い花を』より。文中、イスフェークなる作家の絵について「SFってなぁ、結局のところ絵だねェ」との名台詞。