EXHIBITIONS

岸田ますみ「水平線から」展

© Masumi Kishida

 画家・岸田ますみの個展「水平線から」がGalerie LIBRAIRIE6で開催される。

 岸田は1941年東京都生まれ。アート・ステューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークでイラストレーションを学ぶ。アメリカのフォークアートにふれて影響を受け、ガッシュ(不透明水彩絵具)やアクリル絵具を用いて作品を制作。その後、ジョージア・オキーフや国吉康雄の作風に魅かれる。帰国後は、個展やグループ展で作品を発表するほか、書籍や雑誌、カタログなどの装画なども担当。95年頃からは、独自に油彩での制作を行っている。

 本展では、いつかどこかで眺めたような、遠い記憶のなかの水平線をテーマに描いた新作の油彩約25点を展示。また本展の出品作を収録した作品集『水平線から』も刊行される。

「わたしの目はいつも風景のなかをさまよっています。それはわたしの心かもしれません。風景は、車窓の眺めにあり、枝からはなれた木の葉にあり、小さな五百円玉のなかにもあります。さまようわたしという風景は喜びであり、時には哀しみであり、絵筆を取る力でもあったりするのです。そして、わたしはまた描かれた風景のなかをさまよいます。今日はよくはれて、アトリエから見える海が光っています。水平線に島が浮かんでいます(水平線から、岸田ますみ)」。