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四代⽥辺⽵雲斎「CHIKUUNSAI Ⅳ ∞」

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四代⽥辺⽵雲斎 マルチプル作品 INFINITY01

四代⽥辺⽵雲斎 書⾒台

四代田辺竹雲斎『CHIKUUNSAI Ⅳ ∞』表紙

 国内外で活躍する美術⼯芸家・四代⽥辺⽵雲斎の作品集『CHIKUUNSAI Ⅳ ∞』の刊⾏記念展が、銀座 蔦屋書店のイベントスペース「GINZA ATRIUM」で開催されている。

 四代⽥辺⽵雲斎(本名・健雄)は1973年⼤阪府堺市生まれ。三代⽵雲斎の次男。幼少から⽵にふれ、⾃然と⽵を志すようになる。⼤阪市⽴⼯芸⾼校美術科を卒業後、東京藝術⼤学美術学部彫刻科に進学し、大学在学中は⿊⽵を⽤いて⽵の彫刻を制作。卒業後、⼤分県別府市にある⽵⼯芸訓練⽀援センターで2年間、⽵の基礎技術を学ぶ。その後、堺市に戻り、⽗・三代⽵雲斎に師事。17年に四代⽥辺⽵雲斎を襲名する。

 ⽵雲斎は、120年続く歴代から受け継いできた精神と技術で、伝統的な花籃(はなかご)や茶道具を制作するいっぽう、⽵のオブジェや⽵のインスタレーション作品を手がけてきた。とくに、2016年にフランス国⽴ギメ東洋美術館で発表したインスタレーション《五⼤》は、⽇本の⽵⼯芸の枠組みを超えた単独のアート作品として紹介され、⾼い評価を受けた。

 今回発売される作品集『CHIKUUNSAI Ⅳ ∞』は、この《五⼤》をはじめ、2014〜19年までに世界各地で制作した15点の⽵のインスタレーションを収録。作品集発売を記念して開催される本展では、30点限定の「BIGBOOK」と、⽵雲斎にとって初の試みとなる書⾒台とマルチプル作品を展⽰する。

 さらに会期中、作品集と同じテーマである《無限》を題した、巨⼤な⽵のインスタレーションを公開制作。⾼知県須崎市の⼀部の⼭にしか⽣息しない、⻁⽵(とらちく)の⽵ひご約5000本を使ったインスタレーションは、展覧会終了後にはすべて解き、もとの⽵ひごの状態に戻す。それは、次に新たな作品を生み出す素材を循環させ、無限の世界を構築していくというテーマへとつながる。

 公開制作の期間は10⽉6⽇13:00〜10月9⽇20:00まで。