EXHIBITIONS

グループ展 「髙木大地、ルシア・ビダレス、山下紘加」

山下紘加 Rice Paddy at Night 2020 ©︎ Hiroka Yamashita Courtesy of THE CLUB, Taka Ishii Gallery

髙木大地 Thicket 2019 ©︎ Daichi Takagi Courtesy of KAYOKOYUKI, Taka Ishii Gallery

ルシア・ビダレス No tengo miedo 2020 ©︎ Lucía Vidales Courtesy of Taka Ishii Gallery

 髙木大地、ルシア・ビダレス、山下紘加のアーティスト3名によるグループ展がタカ・イシイギャラリーで開催されている。

 髙木は1982年岐阜県生まれ。多摩美術大学絵画学科油絵専攻を卒業後、同大学大学院美術研究科を修了。2018〜19年まで文化庁新進芸術家海外研修制度の助成により、オランダ・アムステルダムに滞在し、現在は神奈川県を拠点に活動する。渡蘭以前は、絵画や図像の形態に重点を置き、静物や風景をテーマにした抽象表現や、キャンバスを変形させた作品などを展開。渡蘭後は自身のこれまでの絵画表現と向き合い、理論や方法から離れ、直感に従い描くことを試みている。

 ビダレスは1986年メキシコシティ生まれ。2009年にナショナル・インスティテュート・オブ・ファイン・アーツの国立絵画彫刻版画学校「ラ・エスメラルダ」を卒業。14年にメキシコ国立自治大学の美術デザイン学部を修了。現在はモンテレイ大学で教鞭を執りつつ制作を続けている。ビダレスにとっての作品は、絵画、その歴史、そしてそれが作動する際の特定のレパートリーをめぐる自身のパーソナルな想像から現れてくるもの。作家の想像力の介在によってフィクションと歴史が融合し、絵画やグラフィックや彫刻がつくり出されていくなかで、ひとりの視点から見た複数の世代を貫く様々な物語が描かれる。

 山下は1991年兵庫県生まれ。ラトガース大学メイソングロス芸術大学(ニュージャージー州ニューブランズウィック)にてMFAを取得し、ニューヨークを拠点に活動する。現在は岡山県在住。山下の絵画では、古くから和歌の題材に用いられてきた、自然にたとえた人の心情など自然と人とのつながりや、記憶や発見、愛慕といった人の日常から観察される行為、また心の動きが丁寧に描写される。そこでは、西洋画に日本画特有の画面構成を取り込み、また線描や色、境界をぼかすことで日本的な儚さを表現することを追求している。

 本展では、絵画作品にフォーカスし、1980〜90年代生まれの若手作家3人による作品を紹介する。