EXHIBITIONS

光ミュージアム所蔵

美を競う 肉筆浮世絵の世界

2020.10.02 - 11.23

溪斎英泉 立ち美人 1818〜30

「肉筆浮世絵」は、大量制作された多色摺木版画の錦絵と違い、絵師が絹本や紙本に直接描いた一点もののこと。浮世絵は色鮮やかに摺られた多色摺木版画「錦絵(にしきえ)」が広く知られているが、これらが絵師・彫師・摺師の分業によって庶民向けに販売されていたのに対して、「肉筆浮世絵」は富裕層から注文を受けた絵師が、高価な画材を使って一筆一筆丹念に描写し、彩色を施した貴重な絵画作品だ。

 本展では、 国内屈指の肉筆浮世絵コレクションを誇る、光ミュージアム所蔵(岐阜県高山市)の名品のなかから厳選された貴重な肉筆画を、美人画を中心に約110点を展示。美人画を中心に、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳、 溪斎英泉、月岡芳年ら、江戸中期〜明治時代に至る人気絵師たちの、個性や力量を感じ取ることができるまたとない機会となる。

 光ミュージアムの肉筆浮世絵コレクションが一挙に公開されるのは本展が初めて。豪華な着物の文様、結髪の毛筋の精轍な描写など、肉筆浮世絵ならではの華麗な美の競演を楽しみたい。